「AI診断」と聞くと、AIによる健康チェックや症状診断を思い浮かべる方が多いでしょう。確かに、健康管理や医療相談に役立つアプリは数多く存在しますが、AI診断の種類はそれだけではありません。
例えば、「有名人の〇〇さんに似ている」などをAIが判定する顔タイプ診断、害虫や雑草を識別するAIアプリ、AI生成テキストの検出ツールなど、その応用範囲は驚くほど多岐にわたります。
この記事では、AI診断ができるおすすめアプリ・サイトをジャンル別に11選ご紹介します。AI診断ツールの種類、利用時の注意点もお伝えするので、「AI診断を活用してみたい」という方はぜひ参考にしてください。
AI診断とは?
AI診断とは、人工知能(AI)を活用して、様々な情報や状態を分析・判断するツールのことです。AI診断は、肌の状態をチェックしたり、病気の可能性を予測したりなど様々な種類があり、誰もが簡単にサービスを利用できます。
しかし、どうしてAIはそのように手軽に分析・予測できるのでしょう?その秘密は、「ニューラルネットワーク」という技術にあります。
AI診断の精度向上に欠かせないニューラルネットワーク
ニューラルネットワークは、人間の脳神経回路をモデルにしたAIの仕組みのことです。
私たちの脳は、たくさんの神経細胞(ニューロン)が複雑につながってできており、ニューラルネットワークも同じように、たくさんのニューロンが層のように重なってできています。各ニューロンは受け取った情報を計算し、次のニューロンに伝えます。この情報の流れを繰り返すことで、複雑な問題を解決できるのです。
AI診断は、ニューラルネットワークが画像認識やテキスト分析などを通じて大量のデータを学習し、診断に必要な知識を深めることで、ユーザーの質問に対する回答精度を向上させます。
ニューラルネットワークについては、以下の記事で詳しく解説しています。初心者でも理解できるように身近な例を交えて説明していますので、ぜひご一読いただきAI診断の仕組みについて理解を深めてください。
AI診断の正確性はどの程度か
AI診断は医師の診断をサポートするツールで、その正確性は医師の代替にはなりません。ただし、AI診断の精度は対象疾患やAIの学習データ量によって大きく異なります。
例えば、皮膚がん診断AIを例に挙げると、一般医よりも高い診断能力を持つものの、熟練した皮膚科医には及ばないという報告もされています。そのため、AI診断の結果はあくまで参考情報であり、最終的な診断は医師が行うことが重要であるといえるでしょう。
AI診断の種類
AI診断ツールは、私たちの日常生活の中で、多岐にわたる場面で利用されています。
多くのAI診断サービスは、質問に答えるだけで結果が得られるように設計されており、専門的な知識がなくても簡単に利用できるのが魅力です。スマートフォンで写真を撮るだけで結果が得られるものも多く、初心者でも手軽に専門的な情報を得られます。
AI診断ツール種類一覧
では、AI診断ツールには、どのような種類があるのでしょうか。人気アプリをご紹介する前に、以下の表でAI診断ツールの種類をご確認ください。
AI診断ツールの種類 | 主な特徴・内容 |
医療診断 | 症状から可能性のある病気を提案し、適切な診療科を案内 |
顔診断 | 顔の特徴から有名人との類似度測定、年齢・性別推定 |
植物診断 | 撮影した植物の種類を特定、育て方のアドバイス提供 |
病害虫・雑草診断 | 農作物の病害虫や庭の雑草を識別し対策を提案 |
肌診断 | 肌の状態(シミ、シワ、毛穴など)を分析しケア方法を提案 |
テキスト診断 | AIが作成したテキストかどうかを判定 |
タイヤ選び診断 | 走行条件や好みに合ったタイヤを提案 |
住宅ローン事前診断 | 収入や条件から借入可能額を試算し、適した住宅ローンの提案 |
性格・心理分析診断 | 質問回答から性格傾向や心理状態を分析 |
恋愛診断 | 相性や恋愛傾向を分析しアドバイス提供 |
AI診断ツールは、初期の情報収集や専門家への相談をスムーズにする非常に有用なツールですが、専門家の判断を完全に代替するものではありません。あくまで、AIが学習したデータを元に診断していることを念頭において利用しましょう。
AI医療診断アプリ3選
まずは、AI診断といえば真っ先に頭に思い浮かぶ方が多いであろう、AI医療診断アプリをお伝えしましょう。AI医療診断アプリは、個人クリニックが提供しているケースもありますが、ここでは一般的によく使われている3つの無料アプリをご紹介します。
なお、アプリによってはオンライン診療に対応し、この場合は保険適用されるケースが多いため、事前に確認したうえで利用しましょう。
AI診断アプリ名 | ダウンロード数 | 主な特徴 | アプリ内課金 | オンライン診療 |
ユビー | 10万 | 1,100種類以上の病名に対応 回答結果を保存可能 |
あり 500円 |
あり |
メルプAI症状相談 | 10万 | 現役医師により開発 自宅近くのクリニックを紹介 |
なし | なし |
AI Doctor | 1万 | 医師のデータを学習 チャット形式で回答 |
なし | なし |
①ユビー
ユビーは、5万件以上の医学論文を元に構築されたAI医療問診アプリです。1,100種類以上の病名に対応しており、医師を中心とした専門家チームとデータサイエンティストが協力して、定期的に情報の更新・改善を行っています。
ユビーは、アプリ内の質問に答えるだけで、関連する病気や対処法、適切な診療科、近隣の医療機関などを調べられるのが特徴です。全国47都道府県の800以上の医療機関で採用されており、回答結果を保存できるため、実際の診察時の医師への説明にも使えます。
なお、ユビーは医療機器ではなく、情報提供のみを目的としています。医師の診断に代わるものではないため、内容に基づいて自己判断で薬の服用等を行わないようご注意ください。ユビーでオンライン診療を受けた場合、保険適用され、医療費は3割負担となります。
②メルプAI受診相談
メルプAI症状相談は、体の不調や気になる症状から関連情報を確認できるAIアプリです。現役医師が開発・監修しているため、信頼性の高い情報を得られます。
使い方はシンプルで、気になる部位や症状を入力し、いくつかの質問に答えるだけ。症状に関連する可能性のある病名や緊急度、最適な診療科に加え、自宅近くの適切な病院やクリニックも検索できます。
さらに、子ども向けの緊急度チェック機能を備えており、熱や咳、頭部打撲、腹痛などの症状に対して、わずか1分で適切な対応方法を確認可能です。近年増加している指定難病・潰瘍性大腸炎など、特定疾患に関連する症状についても解説しています。
③AI Doctor
AI Doctorは、1万件を超えるダウンロード実績がある医療診断アプリです。実際の医師から集められた膨大なデータを基に学習した、高度なAIエンジンを搭載しています。
AI Doctoでは、症状に基づいた治療オプションや医療計画など、包括的な診断情報を提供し、医学的な質問を入力すると、医師によって検証された回答を得られます。
利用時は、AIドクターと自然な会話形式でチャットするので、専門知識がなくても使いやすく、日常の健康管理から具体的な症状の相談まで幅広くサポートしてくれます。
AI肌診断アプリ2選
次に、多くの女性が気になる肌診断アプリを2選ご紹介しましょう。肌診断アプリは、肌年齢チェックだけではなく、皮膚の状態から疾患を分析するアプリもあります。
AI診断アプリ名 | ダウンロード数 | 主な特徴 | アプリ内課金 |
Mirrorme | 1万 | 15項目から肌状態を診断 個別健康記録にも対応 |
あり 150円/1アイテム |
肌診断アプリAIスキャナー | 50万 | 50以上の皮膚疾患を診断 世界50万人以上が利用 |
あり(価格不明) |
①Mirrorme
Mirrormeは、女性の肌悩みやコンプレックス解消をサポートする総合ケアアプリです。スマートフォンで写真を撮影するだけで、AIが毛穴、ニキビ、シミなど15項目を分析し、最適なスキンケアを提案します。
ベーシックプランでは同年代の肌と比較でき、プレミアムプランでは、過去の診断画像を最大5枚まで登録した後、肌スコアの推移をグラフで確認できます。「今日のわたし」機能では、体重や生理状況など7項目から選択し、カスタマイズした健康記録も可能です。
②肌診断アプリAIスキャナー
AIスキャナーは、ほくろ、かぶれ、ニキビなど、50種類以上の皮膚トラブルをチェックするAI診断アプリです。世界中で50万人以上が利用しており、平均評価は4.87を獲得しています。
湿疹、乳頭腫、ヘルペス、ニキビ、皮膚がん、真菌症、乾癬などの危険度を判定し、早期発見・治療をサポート。CEマークを取得した医療用ソフトウェアとして皮膚科医にも信頼されており、さらに3D全身ほくろマッピング機能も搭載し、自宅で手軽に皮膚の健康状態を確認できます。
AI顔診断アプリ2選
AI顔診断アプリは、撮影した写真や保存されている画像を元に、AIが顔の特徴を分析し、似ている有名人などを診断するサービスです。エンターテイメント性の高いツールなので、友達との集まりや話題作りに活用できます。
以下では、人気のAI顔診断アプリを2選ご紹介しましょう。
AI診断アプリ名 | ダウンロード数 | 主な特徴 | アプリ内課金 |
AI顔診断そっくりさん | 1,000万 | 無料アプリ総合ランキング1位 「二人で診断」「黄金比」も搭載 |
あり 980円 4,100円 4,700円 |
フェイスタグ | 100万超 | 美人度・イケメン度診断 顔型・タイプ診断 |
あり 500円 4,000円 |
①AI顔診断そっくりさん
AI顔診断そっくりさんは、ユーザーの顔と似ている有名人を高精度で診断します。1,000万ダウンロード突破、無料アプリ総合ランキング1位。テレビ番組でも紹介されるほどの人気アプリです。
使い方はシンプルで、性別とカテゴリを選んでカメラで顔を枠に収めるだけ。AIが女優、アイドル、声優、お笑い芸人、YouTuberなど多様なカテゴリの中から、似ている有名人を判定します。
さらに、友達同士の顔の類似度を診断する「二人で診断」、顔のバランスが黄金比に近いかを分析する機能も搭載しています。なお、このアプリは段階的に有料プランが組み込まれているので、課金状況を確認しながら利用しましょう。
②フェイスタグ
フェイスタグは、顔の特徴やバランスを分析する高性能AI顔診断アプリです。二宮和也さん、山田涼介さん、HiHi Jetsなど、多くの著名人も愛用しており、App Storeでは4.4という高評価を獲得しています。
使い方はカメラで顔を撮影するだけ。美人度・イケメン度といった印象評価はもちろん、丸顔・卵型・四角顔といった顔型の判定、クール・キュートなどのタイプ分析も可能です。
さらに、顔全体の比率や目・鼻・口といった各パーツのバランスを自動測定し、似ている俳優、アイドル、ミュージシャン、YouTuber、スポーツ選手などをランキング形式で表示します。
AI植物診断アプリ2選
続いて、AI植物診断アプリを紹介しましょう。植物や花の名前がわかるアプリもあれば、植物の病害虫や雑草を診断するアプリもあるので、ガーデニングを楽しみたい方、植物の知識を深めたい方におすすめのツールです。
以下では、2つのAI植物診断アプリについて解説します。
AI診断アプリ名 | ダウンロード数 | 主な特徴 | アプリ内課金 |
GreenSnap | 100万 | マイアルバムで植物を保管 コミュニティに参加可能 |
なし |
レイミーのAI病害虫雑草診断 | 10万 | 日本農薬株式会社が開発 効果的な薬剤を提案 |
なし |
①GreenSnap
GreenSnapは、植物愛好家のための多機能アプリです。スマートフォンで植物の写真を撮影すると、AIが自動的に植物名を判定してくれ、さらに自分の植物の成長記録を管理できるマイアルバム、他の植物好きと交流できるコミュニティ機能も利用できます。
アプリ内には、各植物の育て方や特徴、適切な日当たり、肥料の与え方、水やりのタイミングなど、詳細な植物図鑑が収録。ユーザーの投稿写真は累計2,000万枚を超え、観葉植物や多肉植物だけでなく、DIYやインテリア、ハンドメイドの参考になる情報も豊富です。
②レイミーのAI病害虫雑草診断
レイミーのAI病害虫雑草診断は、写真から農作物に発生した病気や害虫、雑草をAIが識別・診断し、診断を元に防除薬剤を自動で提案するアプリです。診断結果はAIの自信度順に表示され、さらに識別を助けるミニ図鑑、天気予報機能、いもち病発生予測機能も搭載されています。
撮影写真とミニ図鑑を比較しながら自分で診断できる「カルテ式診断」機能も当アプリならではの特徴。診断結果は履歴として保存され、撮影場所と診断場所は地図上で確認できます。
AIテキスト診断ツール2選
最後に、AIテキスト診断ツールをご紹介しましょう。
このツールは、生成AI(ChatGPTなど)によって作成されたテキストと、人間が作成したテキストを識別することを目的としています。生成AIの利用が広がるにつれ、コンテンツの信頼性が問われるケースが増加しており、AIテキスト診断ツールを利用する方が増加してきました。
以下で紹介する2つのツールは、どちらもサイト上で利用となります。
AI診断サイト名 | 主な特徴 | 有料プラン |
Isgen | 高精度の日本語AI検出ツール スピーディな計測 |
あり 960円 1,680円 2,760円 |
生成AIチェッカー | 生成AIコンテンツの可能性を表示 あくまで目安として参照 |
なし |
①Isgen
Isgenは、96.4%精度を誇るAI文章検出ツールです。GPT-4、Claude、Gemini、LLaMaなど、あらゆるAIモデルによって書かれたテキストを特定します。無料プランは、月間12,000語までのテキスト判定、1日あたり50件の通話対応、および基本的なAI検出システムに対応可能です。
他のAI検出ツールの平均精度が81.22%であるのに対し、isgenは誤検知率がほぼ0%。「どの部分がAI判定したのか」を一目で分かるように色区分で示してくれるのも魅力です。
②生成AIチェッカー
生成AIチェッカーは、AIテキストを無料で診断するツールです。AI特有の言い回しや語彙の傾向を分析し、ChatGPT、Claude、Google Geminiなどの生成AIによる作成である可能性を数値で示します。
なお、本ツールは日本語のレポート、論文、宿題に特化しており、物語、日記、会話文には対応していません。高度化するAI技術により完全な断言は困難なため、結果は参考にとどめ、最終的な判断は人間の目による確認を推奨しています。
生成AIツールは注意が必要
生成AIツールでテキスト作成する際、「AIならではの言い回し」による文章の画一化だけではなく、誤情報生成という重大なリスクが潜んでいます。生成AI利用時には、その特性を熟知しておくことが重要です。
ProSkilllの生成AIセミナーは、生成AIを最大限に活用するためのプロンプト入力方法、情報漏洩リスクへの対応や安全な活用を促進するための適切なガイドラインについて学べます。生成AIを効果的に活用し、業務効率を向上させたい方におすすめのカリキュラムです。
受講期間 | 2日 |
受講形式 | 会場受講、ライブウェビナー(オンライン) |
受講料 | 各38,500円 |
近年、生成AIを活用した映画制作が注目を集めており、テキストプロンプトから画像・動画生成に至るまで、全てをAIのみで制作した映画も登場しています。
以下の記事では、AIと映画の関係について詳しく解説しており、その可能性を実感できる内容となっています。ぜひご一読ください。
AI診断の注意点
AI診断はとても便利で有効なツールですが、事前にいくつかの注意点を把握しておかなくてはいけません。リスクを回避し安心して利用するためにも、AI診断がどのようなものであるかを知っておくことが重要です。
以下では、10の注意点をリストアップしました。
- 医療診断は参考程度に留める
- 緊急時は必ず医療機関を利用する
- 自己判断で薬を服用しない
- アプリの対象範囲を理解する
- 有料プランへの移行に注意する
- 正確な情報を入力する
- 個人情報は慎重に取り扱う
AI診断アプリは、手軽に利用できる便利なツールですが、利用時には上記のような注意点を理解しておくことが重要です。特に、医療診断は医師の代替となるわけではありません。AIの結果を過信せず、必ず医師の診断を受けるようにしましょう。
AI診断についてまとめ
AI診断は、医療をはじめ、肌診断や顔診断、植物の種類をチェックするツールなど、多岐にわたります。近年は生成AIの進歩に伴い、生成AIを使ったテキストを検出するAIツールも登場しました。
生成AIの進化とともに、AI診断ツールも進化していくことが予想されます。生成AIの取り扱いに不安があるという方は、ぜひProSkilllの生成AIセミナーで適切な活用方法を学んでみてください。
