社内のDXを推進したいが、どのDX研修サービスで知識やスキルを学ぶべきか迷っている方も多いでしょう。また独学やeラーニングだけで十分なのか不安に感じている方もいるはずです。
そこでこの記事では、企業や自治体が利用できるおすすめのDX研修サービスをまとめました。
判断の際に役立つサービスの種類や選び方、費用相場なども解説しているので、自社に最適な研修サービスを見つける参考にしてください。
DX研修サービスを企業・自治体が利用すべき理由
企業・自治体がDX研修サービスを利用すべき理由は、自発的にDXを進められないケースが多いためです。
IPA(情報処理推進機構)が公開しているデータによると、全社的にDXに取り組めているのは約3割だけであり、残り7割は一部だけ、もしくは全く動けていません。また、従業員数が少ない企業ほどDXを推進できていません。
これに対し、DX研修サービスを活用すれば、DX推進に必要な以下の知識やスキルを社内に浸透しやすくなります。
- デジタルリテラシー
- DX推進の手段や方法
- 経営戦略とIT活用の考え方
- AI・データの活用方法
DX人材がいない企業や自治体ほど、今後のDX化で大きな差をつけられてしまいます。
計画的にDXを推進するためにも、プロから学べるDX研修サービスを活用するのがおすすめです。
企業・自治体がDXの全体像やAIスキルを学ぶメリット

DXはクラウドやAIの導入だけでなく、業務改革や組織文化の変革を含む包括的な取り組みであるため、企業や自治体によって必要な知識やスキルが異なります。その結果、自社で独自にDX化を進めようとしても、関係のない知識や情報ばかり身につけてしまうケースも少なくありません。
一方、DX研修サービスでは「その企業に合うDXの知識や活用方法」を学べることにより、以下のメリットが得られます。
- DXの定義と目的を体系的に理解できる
- 生成AIやデータ分析の基礎を習得できる
- 部門横断で共通言語を持てる
- 行政DX・業務効率化の推進力が高まる
たとえば、生成AIを導入している企業でも、それを使える人材がいないせいで持て余しているケースもあります。しかし、業務に組み込まなければ生成AIを用いてDXを実現できません。実際、以下のようにプロンプトの組み方や業務で使うデータとの連携は独学で学ぶのが困難です。

しかし、DX研修サービスを活用すれば、利用している生成AIの使い方や業務への組み込み方まで幅広い知識や技術を身につけられます。また、会社全体のDX関連のリテラシーを高め、さらに高い品質の生成AIなどを取り込めるようになるかもしれません。
経済産業省の「ものづくり白書」掲載の調査でも、「社外機関での研修・講習会への参加」の割合が5割を超えています。社内だけでのDX化に限界を感じている企業・自治体ほど、大きなメリットがあると言えるでしょう。
サービス比較の前に、DX研修の概要から知りたい方は以下の記事がおすすめです。
カリキュラムの作り方などを学べます。
DX研修サービスの主な種類と特徴
DX研修サービスは、目的や組織規模に応じて形式を選ぶことが重要です。
自社の人材レベルやDX推進段階に合った研修を選ぶことにより、費用対効果を最大化できます。
eラーニング型
動画教材やオンライン教材で学習できる形式のサービスです。低コストで全社員にDX基礎やAIリテラシーを展開できます。
まずは全社的な意識改革を進めたい中小企業や、職員数の多い自治体、さらにスキマ時間を利用して学びたい場合などに向いています。
集合・ワークショップ型
対面やグループ討議を通じて、DX戦略や業務改革を設計する実践型研修のサービスです。
部門を横断して研修を受けられるため、DX推進部門を持つ企業や、プロジェクト型で改革を進める自治体に適しています。
オンライン型
ライブ配信や双方向型のオンライン研修で、場所を問わず受講できるサービスです。
支店・出先機関が多い企業や、移動コストを抑えたい自治体に最適であり、リアルタイムの質疑応答もできるため、集合・ワークショップ型と同等の理解度を期待できます。
コンサルティング・伴走型
研修実施期間だけで終わらせず、継続的にDX人材の育成を続けたい場合に最適なのが、伴走型の研修サービスです。
実務に即したDXの取り組みなどを進めやすいことから、業務活用のノウハウが不足している企業や、本格的に変革を進めたい自治体に向いています。
DX研修サービスおすすめ10選(比較表あり)

自社に最適なDX研修サービスを探している企業・自治体向けに、おすすめサービスの比較表をまとめました。また以下より、DX研修サービスごとの特徴や向いている企業・自治体の特徴を紹介します。
| DX研修サービス名 | 研修サービスの特徴 | 向いている企業・自治体 |
|---|---|---|
| DX研修・人材育成プログラム (GETT Proskill) |
企業や社員に合わせてDX研修をカスタマイズ(助成金の適用実績あり) | ・自社向けのDX研修を用意したい ・AIの業務活用を実践的に学びたい |
| AI・DX・データ分析・活用研修 (株式会社アガルート) |
企業課題に応じたカスタマイズが可能 | ・段階的にDX人材を育てたい |
| DX人材育成プログラム (株式会社シナプス) |
コンサル視点の実践型プログラム | ・DXをIT導入で終わらせたくない |
| AI活用eラーニング (株式会社AlgoX) |
生成AIの基礎〜応用までを動画教材で学べる | ・AI導入後の活用定着に課題がある |
| DX人材の育成をご支援するコース (富士通ラーニングメディア) |
人材類型別にカリキュラムあり | ・DXを中長期計画で推進したい |
| DX人材育成ソリューション (トレノケート株式会社) |
DXリテラシー4要素と5類型別の育成が可能 | ・DXのロードマップを整備したい |
| DXリテラシー講座 (株式会社STANDARD) |
全社員対象のリテラシー教育が可能 | ・全社の意識改革とリテラシーを底上げしたい |
| DX研修サービス (ヒューマンアカデミー) |
全国主要都市で最少1名から実施可能 | ・全社的なリテラシー向上と専門人材育成を同時に実施したい |
| DX人材育成研修 (株式会社グロービス) |
MBA知見を活かしたDX推進スキル育成 | ・リーダー育成と全社底上げを同時に行いたい |
| DX化支援研修サービス (株式会社アルファライズ) |
複数の生成AIを横断的に学習可能 | ・短期間でAIスキルを現場定着させたい |
GETT Proskillの「DX研修・人材育成プログラム」
DXレベルチェックで現状の可視化したうえで、階層別のカリキュラムを設計できるオーダーメイドが強みの法人向け研修サービスです。ハンズオン型として実践的な研修を受けられるほか、LMSによる学習管理、助成金活用にも対応しており10,000社超の導入実績があります。
DXの推進はもちろん、以下のような研修でAI活用まで幅広く学べるのが魅力です。
- AIビジネス基礎研修
- AIプログラミング研修
- 生成AI研修
- G検定対策研修
- E資格対策研修
- クラウド・IoT研修
DX人材のレベル差やOJTのばらつきに課題を抱える企業・自治体のほか、全社的にスキル標準化を進めたい組織に適しています。
株式会社アガルートの「AI・DX・データ分析・活用研修」
DXに関する以下のカテゴリを網羅できる実践型の研修サービスです。
- 生成AI
- 機械学習
- Python
- BIツール
- 各種資格対策
実務経験豊富な講師陣が、基礎から応用・企画立案までを体系的に指導し、企業課題に応じたカスタマイズにも対応します。AI・データ分析を段階的に強化したい企業や、資格取得も含め体系的にデジタル人材を育成したい組織に適しているサービスです(助成金は要確認)。
株式会社シナプスの「DX人材育成プログラム」
事業の変革とIT活用をまとめて強化できる実践型の研修サービスです。
経営戦略・ビジネスモデル・デジタルマーケティングに加え、DXワークショップやIT活用理解まで体系的に学べます。
DXをIT導入に留めず、事業変革まで推進したい企業・自治体や、新規事業創出や戦略設計力を高めたい場合に最適です。
株式会社AlgoXの「AI活用eラーニング」
生成AIの基礎から業務別ユースケース設計までを体系的に学べる実践型のサービスです。
経済産業省「DXリテラシー標準(DSS-L)」にも準拠しており、全社展開や伴走支援にも対応しています。
生成AIを導入済みだが活用が進んでいない企業や、全社的にAIリテラシーを底上げしたい自治体に最適です。
富士通ラーニングメディアの「DX人材の育成をご支援するコース」
IPAの「デジタルスキル標準」にもとづき、ビジネスアーキテクト・データサイエンティスト・エンジニアなど分類別に学べる研修サービスです。集合・ライブ・eラーニングを組み合わせ、全社のDXリテラシー向上から専門人材育成まで段階的に支援しています。
DXを全社的に推進したい大企業や自治体、職種別に体系立ててデジタル人材を育成したい組織に適しています。
トレノケート株式会社の「DX人材育成ソリューション」
DXリテラシー(Why・What・How・Mind)から5つの人材類型別育成まで体系化された研修サービスです。研修計画の策定支援やトレーニングマップ作成などにも対応しています。
DX戦略に沿って全社的な育成ロードマップを設計したい企業や自治体におすすめです。
株式会社STANDARDの「DXリテラシー講座」
全社員を対象にデジタル基礎知識からDX推進の進め方までを最短1日で学べる一斉型の研修サービスです。AI・IoT・クラウドなどの技術解説や、50件以上の事例紹介を受けられるため、DXアイデア創出につなげられます。
全社的にDXの共通言語を整備したい企業や自治体に適したサービスです。
ヒューマンアカデミーの「DX研修サービス」
eラーニング・集合研修・オンラインを組み合わせたハイブリッド型のDX研修サービスです。DX入門からエンジニア育成、ビジネススキルまで幅広く対応しており、同時に約200講座のサブスク型eラーニングも利用できます。
全国拠点で柔軟に研修を実施したい企業や自治体に適しています。
株式会社グロービスの「DX人材育成研修」
「自社にとってのDXとは何か」を定義するところから支援する経営直結型の研修サービスです。独自のMBA知見を活かし、DX推進スキル・構想力・リーダーシップなどの体系的な育成サポートを受けられます。
経営戦略と連動したDX人材育成を行いたい中堅・大企業や自治体におすすめのサービスです。
株式会社アルファライズの「DX化支援研修サービス」
生成AIを活用した実践型のDX研修サービスです。ChatGPT・Canva・Writesonicなど複数AIの組み合わせた活用方法を学びながら、業務効率化・コンテンツ制作・社内浸透まで体系的に習得できます(助成金の実績あり)。
生成AIを業務に本格導入したい企業や、短期間でAI実践スキルを現場定着させたい中小企業・成長企業に適しています。
失敗しないDX研修サービスの選び方

DX研修サービスは、提供元の知名度や価格の安さだけで選ぶと失敗します。
自社のDX推進段階や人材レベルを整理したうえで比較することが重要であるため、本項では比較の際に確認したいポイントをまとめました。
目的を明確にする
まずはDX研修サービスを利用する目的が「全社的なリテラシー向上」か「特定の部門における専門人材の育成」かを明確にしましょう。
目的を定めることで、基礎研修が必要なのか、それとも実践型研修まで進むべきかを判断できます。過不足のないDX研修サービスを利用したい企業や自治体におすすめの確認ポイントです。
形式を選ぶ
DX研修サービスは、自社の体制や人数に合った形式を選びましょう。
たとえば、1つの拠点だけでDX研修サービスを利用する場合には、集合型の研修や伴走型の研修が向いています。一方、複数の拠点で同時にDX研修を利用したい場合には、移動の必要がないオンライン型がおすすめです。
また、研修の時間を個別に確保できないケースに備え、eラーニング型のサービスも視野に入れましょう。これらの違いを理解することで、コストと効果のバランスを判断しやすくなります。
カスタマイズ性を確認する
自社課題に合うDX研修サービスを利用するためにも、カリキュラムのカスタマイズができるかをチェックしましょう。
サービスの種類によっては、あらかじめ決められた内容だけを学ぶものも少なくありません。
そのサービスで自社の課題を解決できれば問題ありませんが、マッチしていない場合にはカスタマイズ可能な研修を選ぶと安心です。
助成金対応の有無を確認する
少しでも費用を抑えたい企業や自治体は、サービス費用を最大で75%抑えられる人材開発支援助成金などが活用できるか確認しましょう。
助成金対応の研修を選ぶことで、実質負担額を下げられます。
最安値と思っていた研修サービスよりも、安く利用できる場合もあります。
DX研修サービスの費用相場(目安)
DX研修サービスの費用は「目的・期間・実装範囲」で変わります。
以下の比較表を参考に、自社がDXに対し、意識改革段階なのか実装段階なのかを整理しましょう。
| 判断項目 | 費用目安 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 全社リテラシー向上 | 1万〜5万円/人 | DXの基礎理解を広げたい |
| 実務スキル育成 | 5万〜15万円/人 | データ活用・AI導入を進めたい |
| 戦略設計・伴走支援 | 数十万〜数百万円 | 組織変革まで実行したい |
なお、上記の項目は1つに絞るのではなく、複数のサービスを同時進行で利用するケースもあります。たとえば、全社リテラシー向上の研修を受けつつ、メインで動くDX人材を育成するために実務スキル育成の研修を受ける企業もあります。
サービスは価格だけで選ばず、期待成果と投資回収期間で判断することが重要です。
比較せずにDX研修サービスを選ぶデメリット
本記事で紹介した選び方のポイントなどを無視したまま、DX研修サービスを選ぶと次のようなデメリットが発生します。
- 価格だけで選んだが、実務に活かせなかった
- 有名企業だから導入したが、自社課題と合っていなかった
- 推進部門だけ受講したが、全社に浸透しなかった
- カスタマイズせずに実施し、業種に合わなかった
DX研修は導入することが目的ではありません。学んだだけで終わり、現場が変わらないといった失敗を回避するためにも、自社のDX推進の段階や課題を整理したうえで、サービスの比較を実施しましょう。
無料で受けられるDX研修サービスはある?

DX研修サービスは条件を絞れば、無料で受けることも可能です。
特に自治体や中小企業向けに国・公的機関が提供する体験研修やオンライン講座も見つかります。以下に、無料サービスの例をまとめました。
- マナビDX(IPA)の「実務で使えるAI活用術を学べるeラーニング」
- 厚生労働省の「中小企業リスキリング支援事業」
無料の研修を利用するメリットは、費用を負担せずに基礎理解を深められることです。
一方で、演習や実務スキルを習得するには有料研修・カスタマイズ型が必要になります。
無料である分、学べることには限界があるため、目的に応じて本記事で紹介したDX研修サービスなどを適切に使い分けましょう。
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DX研修サービスについてまとめ
DX研修サービスは、企業や自治体がデジタル変革を実現するための重要な投資です。
複数の研修サービスが提供されていますが、目的や段階に応じて形式・費用・カスタマイズ性を見極めることにより、高い効果を得られます。
まずは自社のDX推進の課題を整理し、気になる研修サービスの無料相談を利用してみてください。