facebook

【2026】リーディングDXスクール実践事例10選!文科省の定義・DXハイスクール補助金も紹介

近年、教育現場が大きく変わり、タブレット学習や個別最適化が当たり前になりつつあります。リーディングDXスクールは、こういった教育DXの最前線にある取り組みで、未来の学びを形にする「実験場」ともいえる存在です。

本記事では、リーディングDXスクールの概要・文部科学省の定義、小・中・高校の実践事例、DXハイスクール補助金までご紹介します。リーディングDXスクールを網羅的に、かつ分かりやすく知りたい方はぜひご一読ください。

リーディングDXスクールとは?

リーディングDXスクールとは?リーディングDXスクールとは、教育現場のDXを先導する役割を担う「推進校」のことです。リーディングDXスクールは、国が指定した全国の小・中・高校、約200校が対象となっています。

読み方は「リーディング DX(ディーエックス)スクール」で、教育現場をデジタルで変革(Transformation=X)するという意味が込められています。

DXとは

DXは、2004年にウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念で、意味は「ICTの浸透により、あらゆる生活を良い面に変化させること」です。

DXという言葉はビジネスシーンで語られることが多いものの、近年は「教育DX」として学校現場にも広がり始めています。その中心的存在が、リーディングDXスクールです。

ICT:情報処理・通信技術の総称

リーディングDXスクールの基盤である教育DXについては、以下の記事をご参照ください。教育DXのメリット・デメリット、ロードマップなど詳しく解説しています。

【2026】教育DXをわかりやすく解説!文部科学省の定義・ロードマップや事例も紹介

リーディングDXスクールの始まり

リーディングDXスクールの始まりは、2019年のGIGAスクール構想がきっかけです。これを機に全国の学校に高速ネットワークと1人1台端末が整い、デジタル基盤が構築されました。

そして、GIGAスクール構想をさらに発展させるため、2023年にスタートしたのが「リーディングDXスクール」です。以降、全国を対象に指定校やパイロット校は毎年入れ替え・追加され、小学校から高等学校まで、幅広い教育段階で導入が進んでいます。

リーディングDXスクールで取り組む主な内容

リーディングDXスクールでは、ICTを日常の学びに溶け込ませるため、次のような取り組みが進められています。

  • 個別最適・協働的な学びの一体化
  • 外部専門家によるオンライン授業の活用
  • 端末の持ち帰りによる家庭学習の強化
  • 校務の効率化と教員研修の充実

つまり、リーディングDXスクールは生徒と教職員の双方に働きかけ、ICTを「特別なもの」ではなく、身近で当たり前のツールとして根付かせることを目指しているのです。

参照:指定校実践事例・動画|リーディングDXスクール

文部科学省が定義するリーディングDXスクール

文部科学省では、リーディングDXスクールを以下のように定義しています。

GIGA端末の標準ソフトやクラウドを十分に活用し、情報活用能力の育成、個別最適な学びと協働的な学び、校務DXを進め、全国に好事例を広げるための事業

つまり、リーディングDXスクールはデジタルツールの活用を通じ、学び方と学校運営そのものをアップデートし、その成果を全国へ共有する先導プロジェクトなのです。

参照:リーディングDXスクール

生成AIパイロット校とは

生成AIパイロット校とは、リーディングDXスクールの中でも生成AIの活用に特化して先行的に取り組む学校のことです。文部科学省では次のように位置づけています。

教育活動や校務で生成AIの活用に取り組み、効果的な教育実践を生み出すためのパイロット的な取組を行う学校

生成AIパイロット校は、2025年に北海道から沖縄まで全国で154校が指定され、以降年々規模が広がっています。

参照:リーディングDXスクール生成AIパイロット校

このように、リーディングDXスクールや生成AIパイロット校の取り組みが広がる背景には、社会全体で生成AIやデータ活用に対応できるDX人材ニーズが高まっている現状があります。

しかし、「DX人材育成が思うように進まない」という企業様もいるでしょう。そんなときは、実践的かつ段階的なカリキュラムで、DX人材を効率的に育成する研修サービスが効果的です。

レベル別カリキュラムで学ぶDX人材育成サービス

DX研修・人材育成プログラムDX研修・人材育成プログラムは、導入企業10,000社以上、厚生労働省の人材開発支援助成金(最大75%助成)にも対応した、企業のDX推進を多方面から強力にサポートする実践重視の人材育成サービスです。

研修では、ITから生成AI・データ分析・プログラミング・設計まで幅広く学べ、すべてハンズオン形式・実践重視の内容です。さらに事前のスキルチェックを行い、社員一人ひとりのレベルに合わせた研修設計を提供しています。

DX推進の基盤づくりに最適なカリキュラムで、口コミでは「受講者の状況に合わせた研修ができた」「全社でスキルを標準化できた」といった声が上がっていました。

DXに対応する研修は、その他にも数多く提供されています。多くの研修サービスで比較検討したい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。

【2026】おすすめのDX研修13選!eラーニングや内容を徹底比較

リーディングDXスクールの実践事例10選

リーディングDXスクールの実践事例10選

ここからは、リーディングDXスクールの実践事例を小学校・中学校・高等学校の3分類で紹介します。リーディングDXスクールの「目指す姿」をより明確にするためにも、具体的な事例を見ながら理解を深めていきましょう。

学校名 要点
岩沼市立岩沼小学校 自分で学び方を選び、友達の意見を取り入れる
座間市立中原小学校 コメントで意見を伝えやすくし、多様な視点に気づく
春日井市立藤山台小学校 他者の学びを参考にし、活動を見える化する
熊本市立川上小学校 授業と同じ形で学ぶ研修で、教員同士が学び合う
沖縄市立諸見小学校 ゴール設定と情報整理で、自立した学びを定着させる
壬生町立犬飼中学校 朝の短時間で、1人1台端末のオンライン英会話を実施する
旭川市立緑が丘中学校 校務DXによる業務の効率化で、教育活動を充実させる
守口市立八雲中学校 反転授業により対話を活性化、協働を深める
広島市立牛田中学校 動画で学びの足跡を残し、学び方を選べる環境を作る
仙台第三高等学校 遠隔合同授業(仙台・京都間)による学校を越えた学び合い

①岩沼市立岩沼小学校

宮城県の岩沼市立岩沼小学校では、ICTを活用しながら「自分の学びを自分で進められる子どもを育てる」ことを目標に、リーディングDXスクールとして先進的な授業改善に取り組んでいます。授業では、

  • 学び方を自分で決める
  • 収集した情報を整理する
  • 他者を参照する(友達の考えを取り入れる)

これらを軸にリーディングDXスクールが進められています。児童からは、「友達の意見を聞いて、自分のJamboardに加えるのが楽しかった」「友達の表現の仕方を見るのも勉強になる」といった声があり、教育DXの理想である自然な学びの循環が生まれていることがうかがえます

②座間市立中原小学校

神奈川県の座間市立中原小学校では、「1人1人が自走する学び」を目標にしたリーディングDXスクールです。このリーディングDXスクールでは、自ら調べ、対話を通じて学びを深めるスタイルを大切にしており、

  • 児童の活躍の場を確保する
  • 学びを進めるきっかけをつくる
  • 必要な児童に必要な支援を提供する
  • 振り返りを通して他者視点に気付かせる

の4つのポイントを重視しています。児童からは「コメント機能なら意見を言いやすい」「新たな視点に気づくきっかけになった」といった感想がありました。先生からは、100%真似するのではなく、自分の視点を見出す児童が多かった点も挙げられています。

③春日井市立藤山台小学校

愛知県の春日井市立藤山台小学校では、生涯にわたって自ら学び続けられる子どもを育てることが目標のリーディングDXスクールです。子どもたちが自分の興味や進度に合わせて、教科書やインターネットから情報を集め、

  • 他者の学習を参照
  • 授業の流れの共有
  • 児童の活動の把握

の3軸を重視してリーディングDXスクールに取り組んでいます。児童からは「人の意見を見て仮説を立てる」「自分の考えをアウトプットし、他の考えを取り入れる」といった変化が生まれました。

④熊本市立川上小学校

熊本市立川上小学校は、教員一人ひとりの自己解決能力育成を目標に、授業と同じ学び方で取り組むリーディングDXスクールです。リーディングDXスクールにおいて学校が重視しているのは、

  • 授業と相似形の研修を行う
  • 自分の授業に応用する

の2点で、従来の研究会の課題であった「意見を言える先生だけが話し、発言しない先生の学びが取り入れられない」という状況改善を、リーディングDXスクールを通じて行っています。

⑤沖縄市立諸見小学校

沖縄市立諸見小学校は、デジタル化を通じて子どもたちが自立して学び続ける力を持つことを目指すリーディングDXスクールです。こちらのリーディングDXスクールで大事にしているのは、

  • 児童自身がゴールを設定すること
  • 情報を収集し整理する力を育てること
  • 他者の学びを参照すること
  • 進行状況を把握しながら学ぶこと

で、以前は「情報を集めてごらん」と生徒にいっても何もできませんでしたが、リーディングDXスクールにより自ら気づきが得られる状態に変化しています。

⑥壬生町立犬飼中学校

栃木県のリーディングDXスクール・壬生町立犬飼中学校では、1人1台端末を活用し、朝の15分間の活動を通して、海外在住の外国人講師とのオンライン英会話に取り組んでいます。壬生町がリーディングDXスクール実施時に大事にしているポイントは、

  • 1人1人の生徒に合わせた英会話
  • 繰り返し学ぶこと
  • クラウドを活用した情報共有

です。オンライン英会話の10分前から、生徒が自主的に準備や練習をしている様子も見られ、リーディングDXスクールを通じて自主性も育成されています。

⑦旭川市立緑が丘中学校

北海道の旭川市立緑が丘中学校では、リーディングDXスクールの取り組みとして、教職員の働き方改革を目的に「ICT活用による校務DX」にスポットを当てています。こちらのリーディングDXスクールでは、

  • 職員会議のペーパーレス化
  • 共同編集機能を活用した情報共有
  • 保護者アンケート等のWeb化
  • 進路業務の効率化

を行っています。リーディングDXスクールでは、OneNoteやスプレッドシートを活用した業務効率化を進めることで、教職員が本来の教育活動に集中できている様子がうかがえました。

⑧守口市立八雲中学校

大阪府のリーディングDXスクール・守口市立八雲中学校は、主体的・協働的な学びを促進するための取り組みを行っています。本校のリーディングDXスクールの特徴は、

  • 宿題として家庭での動画視聴を事前に行う
  • 授業で他者のまとめ方を参照して対話を生み出す

といった「反転授業」の取り組みです。リーディングDXスクール担当の教員は、「自分が行き詰まったとしても他の人を見られるのは、学びの継続に有効」とリーディングDXスクールに対して評価していました。

⑨広島市立牛田中学校

広島県のリーディングDXスクール・広島市立牛田中学校は、生徒が学びに主体的に向かう授業づくりを進めています。本校は、

  • 学びの足跡を動画で表現
  • 生徒1人1人が学び方を選択
  • 生徒間での学び合いを促進

といったリーディングDXスクールの取り組みを行っています。授業では常にチャットを活用し、生徒同士で情報や気づきを共有することで、「学び方は人それぞれ」という考えを育成しています。

⑩仙台第三高等学校

宮城県のリーディングDXスクール・仙台第三高等学校では、和歌を創作する活動の中で、京都にある立命館宇治高等学校と遠隔合同授業を行いました。このリーディングDXスクールの取り組みを通じ、

  • 学びの足跡を動画で表現
  • 生徒1人1人が学び方を選択
  • 生徒間での学び合いを促進

を目指しています。両校の生徒は各自でサイトに掲載された動画を視聴し、創作した歌枕や和歌を提示しあいながら学習します。「1つの共同プラットフォームがあると、双方の考えを深めるために非常に良い」という教員の言葉もあがっていました。

参照:指定校実践事例・動画|リーディングDXスクール

リーディングDXスクールの実践事例で見るメリット

リーディングDXスクールの実践事例で見るメリット

リーディングDXスクールの実践事例を見ると、リーディングDXスクールを通じて子どもたちが主体性や協働性を伸ばし、学びの質そのものが向上していることが分かります。

ここでは、リーディングDXスクールの実践事例から見えてきた具体的なメリットを表でお伝えしましょう。

メリット 内容
主体性が育つ 自分で学び方を選び、能動的に学べる
協働が深まる 他者の意見を取り入れ、対話が活性化
理解が深まる 思考の過程を可視化し、説明力が向上
個別最適化が進む 1人1台で自分のペースに合わせて学習
個々の声が届く コメント機能で誰もが気軽に発言
校務が効率化 ペーパーレス化・共同編集で時間削減

「教育のデジタル化」というと学習の孤立化が進むように感じるかもしれません。

しかし、コメント機能などを活用すれば、普段は表に出にくい「見えない声」を可視化でき、一人ひとりの存在感を高めながら、むしろ集団としての連帯感や協調性をより深く育むことができるのです。

DXハイスクール補助金とは?

DXハイスクール補助金とは?

DXハイスクール補助金とは、大学での理工系進学者やデジタル人材を増やすため、高校段階からデジタル・理数分野の学びを強化するための経費を支援する制度です。

項目 内容
担当省庁 文部科学省
支援対象 公立・私立の高等学校等(約1,300校)
補正予算額 52億円(令和7年度)
補助方式 定額補助
補助額
  • 新規採択校:約100校×1,000万円
  • 継続校(2年目)約200校×500万円(重点類型:700万円)
  • 継続校(3年目):約1,000校×300万円(重点類型:500万円)
重点類型 80校(半導体重点枠を含む)
重点類型の種類 グローバル型、特色化・魅力化型、プロフェッショナル型(半導体重点枠)
採択校に求める取組 情報・数学の強化、ICT活用、大学・企業連携、遠隔授業、専門教育の高度化
補助対象経費 設備備品費、人件費(報酬、給料、職員手当)、消耗品費、諸謝金、旅費など

参照:令和8年度 高等学校DX加速化推進事業

DXスクールについてまとめ

リーディングDXスクールとは、教育DXをリードする国の指定校のことです。リーディングDXスクールの現場では、学習の個別最適化はもちろん、「見えない声の可視化」や「集団としての協調性の向上」といったメリットももたらしています。

DXは、リーディングDXスクールのみならず、現代を生きるほぼ全ての企業に共通する課題であり、このDX化を支える基盤が「DX人材」です。DX人材育成に迷った時は、専門の研修サービスを活用し、効率的に組織のデジタル力を底上げしましょう。

【2026】リーディングDXスクール実践事例10選!文科省の定義・DXハイスクール補助金も紹介
最新情報をチェックしよう!