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【2026】教育DXをわかりやすく解説!文部科学省の定義・ロードマップや事例も紹介

デジタル技術で「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する教育DX。多様化する教育現場の課題を解決する手段としても注目されています。

この記事では、文部科学省の定義を基に、教育DXをわかりやすくまとめました。教育DXのメリット・デメリットや活用時のポイントも紹介し、教育DXを多角的に解説します。

教育DXとは?

教育DXとは、デジタル技術と教育データを活用し、学習・校務・教育行政を最適化する取り組みです。学習者一人ひとりに合った学びを実現し、教員の業務負担を軽減しながら、教育の質を高めることを目的としています。

文部科学省の教育DXの定義

文部科学省は教育DXを、「デジタル社会の原則に沿って教育の仕組みを根本からつくり直すこと」と定義しています。以下は、文部科学省が示す正式な定義の引用です。

政府として策定したデジタル社会の実現に向けた理念・原則を出発点とし、『教育データの利活用の原則』等も踏まえながら、デジタルを踏まえた業務改革(BPR)を含め、取組を進めていくこととする。

引用:文部科学省「教育DXロードマップ

教育DXの沿革

教育DXは、2019年12月13日にGIGAスクール構想が閣議決定されたことをきっかけに本格的に動き出しました。これを受けて、全国で「1人1台端末」と高速ネットワークの整備が急速に進み、学校のICT環境が学習の基盤として整い始めます。

ICT基盤が整った後、「教育データをどう活用し、学びを個別最適化するか」が次の政策課題として浮上しました。2020年には有識者会議が設置され、2024年には今後1〜2年で教育DXを全国的に進めるための具体策が取りまとめられています。

参照:文部科学省「効果的な教育データ利活用に向けた推進方策について

教育DXと校務DXの違い

教育DXと校務DXは、対象とする範囲が異なります。
校務DXは、成績処理や出席管理、保護者連絡など、教員が日々行う事務作業をデジタル化して改善する領域で、学校運営を支える役割を担っています。

わかりやすくいえば、教育DXという大きな取り組みの中に、学校運営を効率化する校務DXが含まれているイメージです。そして、どちらの取り組みも、現場でデジタルツールを活用する点では共通しています。

現場で使えるDXスキルを育てるには?

このように教育DXを進めるうえでは、教員自身が教育DXと校務DXの両方で求められる「デジタルツールの活用スキル」の習得が必要です。製造業・建設業向けDX人材を育成するDX研修は、DXをはじめ、ビジネススキル全般を学べる受け放題プランなど、ニーズに合わせた多様な研修をカスタマイズしてご提供しています。

DXについては、以下の記事をご参照ください。AIとの関係から導入の進め方、導入後の変化など、多彩なテーマをわかりやすく解説しています。

AIを導入するメリット4選!デメリットと対策方法

教育DXのメリット

教育DXのメリット

教育DXにより、一人ひとりに適した学び、そして効率的な学校運営が両立できます。ここでは、教育DXのメリットを、学習者・保護者側と教職員側の両面から見てみましょう。

学習者・保護者にとってのメリット

教育DXにより、学習者は画一的な学びから脱却し、自分に合った学習方法を選べるようになります。例えば、

  • 理解度や興味に合わせて学習内容を調整できる
  • 時間や場所に縛られず学習できる
  • 蓄積された学習履歴をもとに、成長の可視化・進路の選択ができる
  • 学校外の専門家や仲間との交流で学習理解を深められる

などが挙げられます。このように、教育DXは主体的に学ぶ姿勢を育て、さらに、自分の強みを把握しながら将来の選択肢を広げる、というメリットも得られます。

教職員にとってのメリット

教育DXの推進によって、教職員は指導と校務の両面でメリットがあります。具体的には、

  • 教育データで生徒の理解度や課題を正確に把握
  • 記録の共有によって異動後も継続的な指導が可能
  • 教材管理や授業準備の効率化が促進
  • 校務の自動化やデータ連携によって事務負担が軽減
  • 学校や地域を超えたノウハウを共有

などです。教育DXの結果、教職員が子どもと向き合う時間を確保しやすくなり、より質の高い教育活動を実現しやすくなります。

参照:文部科学省「効果的な教育データ利活用に向けた推進方策について

教育DXのデメリット

教育DXのデメリット

教育DXは多くのメリットがありますが、一方で注意しておくべき課題もあります。ここでは、学習者側と教職員側の両面からデメリットをお伝えしましょう。

学習者・保護者にとってのデメリット

教育DXを進めることで、いくつかの課題も見えてきています。例えば、次のような点が挙げられます。

  • 手書きが減り、記述力(漢字など)が落ちる
  • 検索依存により、考え抜く力が弱まりやすい
  • SNSトラブルなど、情報モラル面のリスクが高まる
  • 対面コミュニケーションへの苦手意識の発生

こうした教育DXの課題を防ぐには、デジタルだけに頼らず、アナログな学びや情報モラル教育をバランスよく取り入れることが重要です。そして、「対面だからこそ得られる学び」を再認識することも重要です。

教職員にとってのデメリット

教育DXには、教職員の負担となる場面もあり、主に次のような点が課題として挙げられます。

  • デジタルツールの使い方・教材準備の負担
  • 端末や通信の不具合による授業の中断
  • 機器管理・トラブル対応時の校務の増加

教育DXを効果的に定着させるためには、こうした教職員の負担を考慮しつつ、時間の確保や専門サポートの体制を整えることが重要です。

教育DXロードマップとは

教育DXロードマップとは

教育DXロードマップは、デジタル庁が2025年6月13日に公表した教育DXの進め方です。教育DXのミッションやビジョンを踏まえ、学校現場のデジタル化をどのような順序で進めるのかを示しています。

教育DXロードマップで取り組む内容

まずは、教育DXロードマップで取り組む内容を見てみましょう。

  • 全自治体で校務DXを推進
  • 高校入試事務のデジタル化
  • 「やめることリスト」の実現
  • 1人1台端末の推進
  • 多様な学習ツールの導入
  • 必要なネットワーク環境の整備
  • 教育データの標準化の推進
  • 教育データの分析・活用の推進

これらの取り組みは、2025年度から2029年度までの5年間で段階的に進める計画です。

「やめることリスト」とは

教育DXロードマップの中でも、教員の負担軽減に直結する取り組みとして注目されているのが「やめることリスト」です。これは、学校現場で続けてきた非効率な業務を見直し、やめられる作業を明確に示したものです。

区分 主な内容
紙業務
  • 紙の保護者向け調査・アンケート
  • 紙での児童生徒向け調査・アンケート
  • 紙の調査票の配布・回収
  • 紙での会議資料共有
  • 紙でのお便り配布
  • 紙の行事日程管理
電話・書面
  • 欠席連絡の電話受付
  • 保護者との日程調整(電話・書面)
その他作業
  • 新入学生徒名簿の手入力
  • 教材データの個別保存
  • 学校徴収金の現金徴収

教育DXの強み

教育DXロードマップでは、教育DXの強みとして、子どもたちの多様なニーズに応じた学びを実現できる点を挙げています。実際、小学校35人学級には、

  • 学習面・行動面で困難を示す子ども:3.6人
  • 不登校傾向の子ども:4.1人
  • 日本語を家庭であまり話さない子ども:1人

など、多様な背景を持つ児童生徒が同時に在籍しています。

また、「授業が自分に合っていない」と感じる児童生徒は小学6年生で15.7%、中学3年生で18.5%にのぼり、難しさを理由として挙げたのは30.5%でした。

教育DXは、こうした状況において、興味関心に応じた教材提示、反復学習、データを用いた振り返り支援で、個別最適な学びを実現します。

参照:教育DXロードマップ

教育DXの効率化を支えるLMS

教育DXロードマップで示された取り組みを進めるには、学習状況を一括管理できるLMS(学習管理システム)の活用もおすすめです。

製造業・建設業向けDX人材を育成するDX研修では、学習進捗を可視化できるLMSに加え、実務に基づくハンズオン研修など、目的に応じて自由に選択・活用できます。さらに、

  • 60以上の研修コンテンツが受け放題
  • DXレベルチェックテスト(DSI)実施
  • 人材開発支援助成金へのサポート

に対応する定額制プランも提供しています。職員間でスキルに差がある場合でも、柔軟に教育DXを進められる便利でお得なサービスです。

このように、教育DXを推進するためには、まず専門スキルを活用できる人材育成が必要です。以下の記事では、DX推進人材の役割や求められる資質、人材育成方法まで解説しています。

【2026】DX推進に必要な人材とは?DSS-P・求めるべき7つの資質・育成法まで解説

教育DXの導入事例

最後に、教育DXの事例として、文部科学省の「DXハイスクール取組事例」を3つご紹介します。

学校名 教育DXの特徴 主な目標
宮城県宮城野高校
  • STEAM×DX、3D実習
  • 数学・情報重視
  • DS・AI履修25%
  • 理系進学20%
山形県立酒田光陵高校
  • 全学科でデジタル活用
  • 情報Ⅱ必修化
  • 情報Ⅱ履修100%
  • 理系大学進学20%
埼玉県立飯能高校
  • 協働探究×AI分析
  • 早稲田大学職員と連携
  • 情報Ⅱ履修20%
  • 理系進学15%

宮城県宮城野高等学校

宮城県宮城野高等学校では、美術科と普通科の強みを掛け合わせ、STEAM教育とDXを融合した学びを展開しています。

3Dプリンターや3Dスキャナを活用した創造型情報実習では、探究学習とデザイン思考を結びつけ、興味関心に基づく創作活動を実現。さらに、情報・数学を重視したカリキュラムにより、プログラミングを通じて論理的思考力を3年間で育成します。

成果指標として、数理・データサイエンス・AI関連科目の履修率25%(令和10年度)、大学理系学部進学率20%(令和10年度)、数学Ⅲ履修率40%(令和8年度)を目標に掲げています。

山形県立酒田光陵高等学校

山形県立酒田光陵高等学校では、普通科・工業科・商業科・情報科で、デジタルとデータ活用を融合した学びを推進しています。その中心となるのが、情報科の高度なデジタル技術を全学科へ広げる取り組みです。

具体的には、令和7年度から普通科で「情報Ⅱ」を必修化し、AI・データサイエンスの学習を段階的に強化。3Dプリンターなどを備えたデジタル環境や外部講師との連携により、学習の質を高めています。

令和8年度には履修率100%を目指し、令和10年度には大学理系学部進学率20%を目標に設定しています。

埼玉県立飯能高等学校

埼玉県立飯能高等学校では、「答えのない問いに協働的に立ち向かう生徒の育成」を掲げ、実体験型教育DXを展開しています。

例えば、デジタル顕微鏡で取得した細胞分裂の画像を、生成AIを用いて解析。生徒が2〜3人のチームを組み、早稲田大学教員の指導を受けながら、データから意味を見いだし、次の問いを立てる探究姿勢を育成します。

令和8年度は情報Ⅱ履修率20%、令和10年度には大学理系学部進学率15%を目標としています。

参照:文部科学省「DXハイスクール取組事例

教育DXについてまとめ

2019年以降、文部科学省がGIGAスクール構想のもとで進めてきた教育DX。多様な背景を持つ児童生徒に合わせて学習をカスタマイズできる教育DXは、教育現場の課題である「生徒の多様性の広がり」にも有効です。

一方で、教育DXを進めるには、教員や職員がデジタルツールを扱えるスキルを身につける必要があり、その負担が現場の課題にもなっています。こうした課題を乗り越えるためには、外部サービスを活用しながら、教育DXをスムーズに進める体制づくりが有効です。

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