金融や医療、製造業など幅広い分野で急速にDXが導入されるようになってきました。
しかし、「DXを導入したいけれど、どのように進めていったら良いか分からない」という会社もあるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、DX入門の方法やDXを導入するメリット・デメリット、DX初心者が知っておきたいポイントについて解説します。
DXとは
DXは、日本語で「デジタル技術による変革」という意味がある「digital transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。
DXとは、一般的にインターネットなどのデジタル技術を活用して様々なサービスを提供するプロセスのことをいいますが、厳密にはエリック・ストルターマンの定義やガートナー社の定義など、いくつかの定義があります。
エリック・ストルターマンの定義
エリック・ストルターマンの定義とは、スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマンが論文の中で提唱した定義のことです。
具体的な内容としては、情報技術と現実が融合することで起こる革新的変化や、ネットワークを通じて自分に起きた変化を知らせる能力などが挙げられます。
ちなみに、エリック・ストルターマンは、2022年に日本の文化や組織を対象に、自分自身のブログ上でデジタルトランスフォーメーションの定義を再提示しています。
ガートナー社の定義
ガートナー社の定義とは、アメリカ・スタンフォードに本社があるIT企業が提唱した定義のことです。
ガートナー社の定義は、まず業務プロセスを変革し、次に人とビジネス、サービスを結び付けます。すると最終的には、顧客と企業がスムーズかつスピーディに関係性を構築できるという結果となるのです。
これらの段階を経た上で企業はITを推進していくことが大切であると推奨しています。
経済産業省の定義
日本の経済産業省は、2018年に企業の経営者がDXを進めるにあたって推奨するガイドラインを発表しました。
具体的には、インターネットなどのデジタル技術を活用することで製品やサービス、顧客満足度をアップさせる、企業の優位性を保つ、企業におけるプロセスや文化、風土を変革させるという内容が記されています。
ちなみに、正式名称は「DX推進ガイドライン」です。
DX入門の方法
DX入門の方法としては、書籍の利用、セミナーの利用などが挙げられます。
自分のスキルや希望の学習方法を念頭に置いて選ぶと良いでしょう。
書籍の利用
DX入門の方法としては、書籍の利用が挙げられます。DXに関する書籍は数多く販売されていますが、特に初心者向けに作られた「DX入門」と題された書籍は非常に多いです。
そのため、書店に行けば購入できる可能性は高いため、DX入門としての一歩を踏み出すには最適な方法といえるでしょう。
「書籍で理解できるか不安」、「書籍を利用するとモチベーションが保てない気がする」という人は、初めに初心者でも気軽に学習をスタートできるように工夫された書籍を利用してみてください。
例えば、小説のようにストーリー仕立てになっている作品やDXを導入した企業にスポットを当てた書籍は、DXに関して知識がない人でも比較的理解しやすい内容となっています。
セミナーの利用
DX入門の学習をするためには、セミナーやスクールを利用しても良いでしょう。
セミナーやスクールは基礎から学習をスタートするケースが多いので、DX初心者にはピッタリの学習方法といえます。
また、通学で学ぶ対面式、インターネット上でつながりながら学習するネット式、アーカイブされた動画を見て学ぶeラーニングを行っているスクールが多いため、「スクールに通う時間がない」、「スキマ時間を活用して勉強を進めたい」という人でも自分の生活スタイルを変えることなく学習をスタートできます。
DXを導入するメリット・デメリット
DXを導入するメリットは、まず生産性の向上が挙げられます。DXを導入するということは、社内業務の多くがデジタル化されるということです。
具体的には、作業がスピーディに進む、正確性がアップする、作業の優先度を可視化できる、リモートワークに対応できるなど、各部署の業務が最適化されます。
DXを導入すると、リスクを事前に回避できるというメリットもあります。
DXを導入するにあたり、BCPを実施するケースも多いです。BCPとは、事業継続計画という意味の「Business Continuity Plan」の略称で、災害やシステム障害など、不測の事態に遭遇した場合において被害を最小限に留めること、緊急時も途切れることなく活動を継続するという意味がある言葉です。
DXと同時にBCPを導入することで、様々なリスクに備えることが可能となります。
コストを削減できるという点もメリットとして挙げられます。
デジタル化すると、単作業を自動化することができる、業務にかかる時間を短縮できるなど、様々なシーンで人件費を削減できます。
その他には、新規ビジネスを立ち上げる機会が増えるというメリットもあります。
DXを導入してデジタルテクノロジーを活用すると、最新のビジネスモデルの検討が容易になるためです。
具体的には、国外で言語が通じないという場合でも、DXシステムを構築すれば様々な国民との意思疎通がスムーズになります。
つまり、今まで言語が原因でビジネス市場から除外していた国でも、DXを導入することでビジネスモデルとして検討できるようになるのです。
一方デメリットとしては、導入時にコストがかかることが挙げられます。
一般的にDXを導入する際には、初期投資や新規エンジニアに対する人件費、既存のシステムを再構築するなどのランニングコストが必要です。
DX導入は長期的な視点で見るとコスト削減につながりますが、ビジネスが軌道に乗り始めるまでは一定のコストがかかることを把握しておきましょう。
できれば、事前に予算編成をしておくことをおすすめします。
DXを導入する際には、手間と時間がかかることもデメリットといえるでしょう。
具体的には、既存システムから移行する時は移行作業が必要なのはもちろん、移行後は社員に対して研修を行う必要があります。
アナログに慣れた社員が多い場合は、研修期間を多めに設定しておかなくてはいけません。
スムーズに導入するまでには、想定以上に多くの期間を要するケースも少なくはないのです。
その他には、すぐに効果を感じられない場合があることも挙げられます。
DXは自社にとって最適化されていなければなかなか結果につながりにくいので、効果を感じるまでにある程度の試行錯誤が必要です。
ただし、決して焦ってはいけません。トライ&エラーを繰り返しながら進めていくことが、DXをスムーズに導入する秘訣でもあるのです。
また近年では、経験豊富なプロのコンサルタントにDX人材の育成を依頼するケースが増えてきております。
このような教育サービスを導入すると効率的に人材育成を目指すことが可能となります。
- AI人材を育成したい方→企業向けDX・AI人材育成サービス
- AIの開発を発注したい方→AI技術コンサルティング 受託開発/PoCサービス
- AIプロジェクトを任されているがどうしていいかわからない方→AIプロジェクト推進サービス
こちらから自社に合うサービスをお選びください。
DX初心者が知っておきたいポイント
DX初心者が知っておきたいポイントは、DXを導入する前に社内全体に伝えておくことです。
事前に社員に伝えておくと、DXに関するヒアリングや調査などをスムーズに進めることができます、伝える際には、社内報を活用するか、もしくは各部署のマネージャーから説明してもらうと良いでしょう。
DXを導入するメリットを同時に伝えると、担当者から協力を得やすくなる、社員の士気が向上するなどメリットがさらに拡充します。
その他には、導入後に自走できる体制を整えておくこともポイントです。
DX導入後の運用は、デジタルオフィサーなどのデジタル専門担当者が中心となってンテンツを設けている企業も見られます。
DXは自分に合った方法で学習しよう
DX初心者は、自分に合った方法で進めていくことが大切です。
導入時に不安がある場合は、あらかじめ書籍やセミナーを利用して、最適な導入方法を学習しましょう。
その後、自社で必要な人材を確保するなど、柔軟に対処するようにしてください。