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【2024】ニューラルネットワークとは?仕組みや学習プロセスを初心者向けに分かりやすく解説

画像認識や音声認識など、私たちの暮らしの身近なシーンでも活用されているAI技術。その中核を担っているのがニューラルネットワークです。

しかし、「ニューラルネットワーク」と聞くと、難易度が高く理解できないと思っている方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんなAI初心者の方に向けてニューラルネットワークを分かりやすく解説します。

ニューラルネットワークの基本構造、学習プロセスなど、それぞれの項目では身近な具体例を交えてお伝えしているので、AIの専門用語が苦手な方もぜひご一読ください。

ニューラルネットワークとは

ニューラルネットワークは、人間の脳神経回路(ニューロン)を模倣した数学的モデルを組み合わせたものです。AIの学習手法の一つでもあり、膨大なデータの中からパターンや規則性を発見し、そのパターンを元に新しいデータに対して予測・問題解決を行います。

猫を例にしたニューラルネットワークの仕組み

まずは、「猫」を例に挙げてニューラルネットワークの仕組みを簡単にお伝えします。

  1. AIに大量の猫の画像データを見せる
  2. ニューラルネットワークが猫に共通するパターン(尖った耳など)を自動で探す
  3. 共通パターンを数値化して記録する
  4. 共通パターンを「猫」というラベルと結びつけて猫の情報を学習する

こうしてAIは学習した特徴を基に、新しい情報に対して正答、もしくはより近い答えを導きだします

ニューラルネットワークの日常生活での応用例

ニューラルネットワークは私たちの暮らしに浸透し、さまざまな分野で活用されています。
以下では、ニューラルネットワークの日常生活の応用例を挙げてみます。

  • スマートフォンの顔認証、音声アシスタント
  • ネット検索履歴でユーザーの好みを分析・予測するレコメンドシステム
  • 自動運転車で障害物を検知する画像認識
  • テキストで質疑応答する文書生成AI
  • 病変検出や医療画像検出などの医療支援診断

以下の記事では、AIを活用した医療支援診断について解説しています。
AI導入の手順やメリット・デメリットもお伝えしているので、医療でのAI導入に興味がある方はぜひご一読ください。

医療でのAI導入とは?手順とメリット・デメリット

ニューラルネットワークの種類

ニューラルネットワークの種類

ニューラルネットワークにはいくつもの種類があります
以下では、主なニューラルネットワークを表でお伝えします。

種類 活用分野
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)
  • 画像認識(顔認識、物体検出、画像分類)
  • 画像生成
  • 自然言語処理(テキスト分類)
再帰型ニューラルネットワーク(RNN)
  • 自然言語処理(機械翻訳、文章生成、感情分析)
  • 音声認識
  • 時系列データ予測
長短期記憶ネットワーク (LSTM)
  • 自然言語処理(機械翻訳、文章生成、質問応答)
  • 音声認識
  • 時系列データ予測
フィードフォワードニューラルネットワーク
  • 回帰問題
  • 分類問題
  • パターン認識
生成的敵対的ネットワーク(GAN)
  • 画像生成
  • 画像変換
  • データ拡張

上記の中でも、畳み込みニューラルネットワークと再帰型ニューラルネットワークは、AIの研究開発において重要なモデであり、近年注目されている画像生成AIや文書生成AIでも活用されています。


生成AIといえば連日報道されているChatGPTが有名ですが、中には「あまり効果的に活用できていない」と感じている方がいるかもしれません。そんな方は、実務に活用できる生成AIの使い方をプロから直接学びましょう。

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ニューラルネットワークの基本構造

ニューラルネットワークの基本構造
引用元:ビジネス+IT

ニューラルネットワークの基本構造は「入力層」「隠れ層」「出力層」の3層からなります。
これらの層は、それぞれ重要な役割を担っており、互いに協力しながら情報を処理します。

以下では、ニューラルネットワークの各層の役割について詳しく解説していきましょう。

  1. 入力層
  2. 隠れ層
  3. 出力層

①入力層

入力層は、外界からの情報を最初に受け取る部分です。
たとえば、音声認識システムであれば、マイクで拾われた音声がデジタル信号に変換され、この層に入力されます。

画像生成AIでは、入力されたプロンプト(指示文)が数値化され、その数値を高次元の空間(潜在空間)に埋め込むことで入力層として機能します。

②隠れ層

隠れ層は、入力された情報を処理する部分です。
この層では、入力層から得たデータから特徴を抽出し、伝わりやすい情報に変換します。

たとえば、果物の識別システムの場合、入力層から伝達されたりんごの画像から、隠れ層でリンゴの特徴的な「赤い」「丸い」などの部分を抽出します。

隠れ層は、ニューラルネットワークの深さを決める重要な要素であり、層を重ねることでより複雑な問題に対応できるようになります。

③出力層

出力層は、隠れ層で処理された情報から答えを出す部分です。
たとえば、画像認識システムで「猫」か「犬」かを判断する場合、出力層で「猫」と「犬」のどちらか、もしくはその確率を出力します。

天気予報システムでは、入力層、隠れ層から伝達・処理された情報を基に、出力層で「晴れ」「曇り」「雨」といった天気の予測結果を出力します。


上記の層が互いに連携し、重み(W)と呼ばれるパラメータを調整することで、ニューラルネットワークは与えられたタスクを学習していきます。

この重み(W)と学習の仕組みに関しては、後述する「ニューラルネットワークの学習と活性化関数」で詳しく解説していきます。

ニューラルネットワークとディープラーニングの関連性

ニューラルネットワークとディープラーニングの関連性
引用元:ビジネス+IT

さて、このニューラルネットワークを深層化させたものがディープラーニングです。
ディープラーニングは機械学習手法の一つで、ニューラルネットワークの層(隠れ層)を深くすることで、より複雑な特徴を捉えることができます。

たとえば、顔の画像認識では、最初の層で画像の大枠(輪郭など)を捉え、次の層でパーツ(目や鼻など)を見つけ、最後にそれらを組み合わせて顔全体を認識するようになります。

層の深さとハイパーパラメータ

ディープラーニングでは、隠れ層を増やすことで画像認識などの複雑な問題に対応できます。
ただし、単に層を増やすだけではなく、ニューロンの数や活性化関数、学習アルゴリズムなどのハイパーパラメータを適切に調整することにより、ディープラーニングの性能が大きく向上します。

ハイパーパラメータの調整を含めた、ニューラルネットワークの学習の具体的な仕組みについては、次の章「ニューラルネットワークの学習と活性化関数」で詳しく見ていきましょう。

以下の記事はディープラーニングについて解説しています。
ニューラルネットワークの基本構造についても詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

ディープラーニングはどんな仕組み?導入手順や人工知能・機械学習との違いを解説

ニューラルネットワークの学習と活性化関数

ニューラルネットワークの学習と活性化関数
引用元:ビジネス+IT

ニューラルネットワークの基本構造について理解を深めたところで、次はその学習プロセスと学習に欠かせない活性化関数について解説します。

これらは、ニューラルネットワークが実際にどのように機能し、どのように複雑な問題を解決していくのかを理解できる重要な項目です。

ニューラルネットワークの学習

先述したように、ニューラルネットワークは「入力層」「隠れ層」「出力層」の3つの層から構成され、各つながり部分には情報の重要度を示す「重み(W)」が設定されています。重要な情報ほど大きな重みが付けられ、より強く次の層に伝わります。

ニューラルネットワークの学習プロセスは、基本的に以下のステップで進行します。

  1. データの入力(学習させたいデータをニューラルネットワークに入力)
  2. 予測(入力されたデータに基づいて答えを予測)
  3. 誤差計算(予測した答えと実際の答えとの違いを計算)
  4. 重みの調整(ネットワーク内の重みを調整して計算誤差を減少)

上記の学習ステップは一度で完了するわけではありません。
この工程を何度も繰り返しながら、ニューラルネットワークの回答・予測の正確性が向上していきます。

活性化関数の役割

活性化関数とは、ニューラルネットワークに「非線形変換」を加える役割を持っています。この工程により、ニューラルネットワークが複雑なパターンの学習に対応できるようになります。

たとえば、猫の画像認識をする場合、隠れ層で目や耳などの個別の特徴を認識しますが、この工程の中で特徴の組み合わせを柔軟に調整することが非線形変換になります。

非線形変換:入力の変化に対して出力が一定の割合で変化するのではなく、状況に応じて異なる割合で変化すること

活性化関数の種類

活性化関数は、それぞれ特徴があり問題の種類やニューラルネットワークの構造によって使い分けられます。以下では、主な活性化関数を挙げてみました。

  • シグモイド関数(出力を0から1の範囲に変換)
  • ReLU関数(出力が負の値のみ0を出力)
  • tanh関数(出力を-1から1の範囲に変換)
  • ELU(ReLU関数の変種)
  • Swish(ReLU関数とシグモイド関数を組み合わせた関数)

ニューラルネットワークとAIの未来

ニューラルネットワークとAIの未来

スマート家電や自動運転車の登場、AIによる医療支援システムなど、昨今のAI社会の加速化は目を見張るものがあります。今後、AIの根幹をなすニューラルネットワークは、さらに私たちの暮らしや社会に深く広く浸透していくでしょう

AIの課題

AIが私たちの社会に不可欠な存在となる一方で、いくつかの課題も浮き彫りになっています
たとえば、ニューラルネットワークの性能向上には膨大なデータが必要で、それに伴うエネルギー消費の増加は環境負荷を高める要因となっています。

また、生成AIによる情報の不正確さが問題視されており、その信頼性をどのように担保するかが議論される中で、AIの判断根拠を説明する「説明可能AI(XAI)」の重要性も増してきました。

さらに、画像生成AIに関しては、著作権や個人のプライバシー保護などの倫理的課題が存在し、利用者の理解とモラルの向上が求められています。

AIとの共存社会で重要なこと

これからの社会では、AIの恩恵を受け入れながらも「技術の基盤が人間である」ことの重要性を理解・尊重し、AI技術の進化がもたらす影響を慎重に見極めていかなくてはいけません。

AIと人間が共同し新たな価値を創造するためには、AI人材育成や倫理的な配慮がカギを握っているといえるでしょう。

ニューラルネットワークの学習におすすめのセミナー

AI技術が進化する中で、ニューラルネットワークの役割はますます重要になっていくでしょう。しかし、その進化のカギを握っているのは、専門的な知識とスキルを持つ人材です。

以下では、ニューラルネットワークに関する理解を深めるとともに、今後の学習やキャリア形成にも大きく貢献するセミナーを4選ご紹介します。

  1. AIエンジニア育成講座
  2. 強化学習プログラミングセミナー
  3. JDLA認定 G検定対策講座
  4. E資格対策ディープラーニング短期集中講座

①AIエンジニア育成講座|AI研究所

AIエンジニア育成講座は、実践的なカリキュラムで最先端のAI技術であるニューラルネットワークを理解・実装できるスキルを習得できます。

カリキュラムでは、画像認識、自然言語処理など、様々な分野で活用されるニューラルネットワークの仕組みを学習します。さらに、最先端のディープラーニングフレームワークであるKerasを用いて、高度なAIモデルを開発し即戦力となるAIエンジニアを目指せる講座です。

受講期間 3日
受講スタイル
  • 会場受講
  • ライブウェビナー
  • eラーニング
受講料金
  • 会場受講
    78,100円
  • ライブウェビナー
    78,100円
  • eラーニング
    58,300円(※すべてキャンペーン特価)

②強化学習プログラミングセミナー|AI研究所

強化学習プログラミングセミナーは、深層学習を用いたDQNやCNNなど、ニューラルネットワークを駆使した強化学習の実装を習得できます。

講座では、ロボットアームの制御やゲームAIなど、実践的な事例を通して、最先端の強化学習技術を習得。さらに、OpenAI Gymなどのシミュレーション環境を活用し、手を動かしながら学習を進めることができます。

受講期間 申し込み後1年間
受講スタイル
  • eラーニング(動画視聴)
受講料金
  • eラーニング
    35,200円(※キャンペーン特価)

③JDLA認定 G検定対策講座|AI研究所

JDLA認定 G検定対策講座は、AIエンジニアへの第一歩におすすめのG検定取得を目指せます。JDLA認定なので、信頼性が高く、資格取得までの道のりもスムーズです。

講座では、ニューラルネットワークをはじめとするAIの基礎知識を網羅的に学べます。時間や場所に縛られずマイペースで学習できるeラーニングは、現在通常価格の90%オフの5,500円で受講できます。

受講期間 1日
受講スタイル
  • 会場受講
  • ライブウェビナー
  • eラーニング
受講料金
  • 会場受講
    30,800円
  • ライブウェビナー
    30,800円
  • eラーニング
    5,500円(※すべてキャンペーン特価)

④E資格対策ディープラーニング短期集中講座|AI研究所

E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、国内AI資格最高難易度のE資格取得を目指せる短期型講座です。

事前学習では、数学やPythonの基礎から応用までを網羅。講義では実践的な演習を通して、ニューラルネットワークをはじめとする深層学習の最先端技術を徹底的に学びます。

現在、各講座ともお得なキャンペーン特価で受講できるので、AIエンジニアを目指している方はこの機会にぜひチャレンジしてみましょう。

受講期間 4日
受講スタイル
  • 会場受講
  • ライブウェビナー
  • eラーニング
受講料金
  • 会場受講
    138,600円
  • ライブウェビナー
    138,600円
  • eラーニング
    76,780円(※すべてキャンペーン特価)

ニューラルネットワークについてまとめ

ニューラルネットワークはAI技術の基盤であるディープラーニングの中核を担うモデルです。

高度な技術でありますが、簡潔にいうと学生がテキストを読み(入力層)理解し(隠れ層)、回答を出す(出力層)の3ステップをコンピューター上で行っている情報処理システムなのです。

今後さらにニーズと重要性が高まると予想されているニューラルネットワークのスキルを習得したい方は、ぜひ以下のセミナーから希望のコースをチェックしてみてください。

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