「新入社員研修が現場で活かされていない」「意味がないといわれてしまう」新入社員研修では、コストと時間を投じながらも、そうした声を少なからず耳にします。
こうした状況を避け、新入社員研修を成功させるためには、どのように研修を設計・改善すべきなのでしょうか。
本記事では、新入社員研修が意味ないといわれる理由、成功のコツを最新データをもとに解説します。その他、資料テンプレート付きの設計手順もお伝えするので、新入社員研修を見直し、組織のDXを推進したい企業の担当者様は、ぜひ参考にしてください。
新入社員研修とは?

新入社員研修とは、企業で活躍するための基本的なスキルを学ぶ場です。対象は新卒・中途採用を問わず、ビジネスマナーや企業理念、各部門の専門業務など、組織で求められるスキルを広く網羅します。
新入社員研修の主な目的は、学生気分や前職の癖を切り替え、自社の文化を深く理解し、組織の一員として馴染むことにあります。つまり、業務に関する学習を通じて、主体的に企業に貢献する姿勢を身につけるのが新入社員研修の真の目的なのです。
新入社員研修の主な実施期間
新入社員研修の実施期間は1ヶ月〜3ヶ月が標準的です。ただし、
- マナー中心なら1週間〜1ヶ月
- 専門知識が必要な事務・営業職なら3ヶ月
- 高度な技術職では半年〜1年
のように、職種により新入社員研修期間は異なります。その他、新入社員研修の形式によっても期間は変動するため、どの様な新入社員研修の種類があるのかを事前に把握しておくと良いでしょう。
新入社員研修の主な形式
では、新入社員研修の主な形式を見てみましょう。
| 形式 | 主な内容 |
| 集合研修(Off-JT) | 座学やワークで仲間意識を醸成 |
| OJT | 現場で先輩から直接実務を習得 |
| eラーニング | 動画等で自分のペースで反復学習 |
| オンライン研修 | Zoomなどを使ったライブ配信型 |
これに加え、フォローアップ研修を設け、配属後の定着確認とメンタルケアまで研修期間に設定するケースもあります。
自社での新入社員研修設計に迷ったらプロに相談してみよう!
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専門知識が必要なDXやAI分野も、プロの力を借りれば準備の手間もいりません。「着実に成果が出る新入社員研修を実現したい」そんな企業様におすすめのカリキュラムです。
新入社員研修は意味ない?
企業も新入社員もフレッシュな気持ちで臨む新入社員研修ですが、実は受講側の満足度は決して高いとはいえません。ここでは、新入社員研修が意味ないといわれる理由を、実際のデータをもとにお伝えしましょう。
新入社員研修の満足度
2026年1月7日にKeySessionが公開した新入社員研修の満足度調査では、研修を「意味がない」と感じた人が約3割に上ることが分かりました。
- 非常に意味があった:25.0%
- まあまあ意味があった:46.0%
- あまり意味が無かった:19.7%
- 全く意味が無かった:9.3%
新入社員研修に満足した理由
また、新入社員に満足した理由に関しては「実際の業務に生かせた」が半数近くを占めていました。
- 実際の業務に活かせた(43.7%)
- ワークや発表などアウトプットの時間があった(34.7%)
- 学びたい内容が含まれていた(31.5%)
- 会社や事業の理解が深まった(21.1%)
- 講師・トレーナーの説明がわかりやすかった(19.3%)
- フィードバック・評価をもらえた(13.2%)
- 同期・上司との関係構築につながった(8.9%)
新入社員研修に意味を感じなかった理由
本調査では、新入社員研修に意味を感じなかった理由もデータが出ています。
- 実際の業務に活かせなかった(41.4%)
- 一方的な進行で参加しづらかった(23%)
- 同期や上司との交流がなかった(19.5%)
- 内容が抽象的だった(18.4%)
- フィードバックがなく成長実感を得られなかった(14.9%)
調査実施日:2025年11月12日
実施方法:インターネット
対象:新入社員研修経験がある20~30歳の正社員、男女300人
出典元:【調査レポート】新入社員研修の満足度を調査!約3割が意味がないと感じていると判明
新入社員研修を成功させる3つのコツ
続いて、先ほどの調査結果をもとに、新入社員研修を成功させる3つのコツをお伝えしましょう。
- 現場の課題を起点に研修内容を設計する
- 「座学3割・アウトプット7割」を意識する
- 同期・先輩との交流時間を確保する
①現場の課題を起点に研修内容を設計する
新入社員研修は、必ず現場視点で設計することが重要です。調査結果では、新入社員研修満足度の第1位が「業務に活かせた」である一方、不満の第1位は「業務に活かせなかった」でした。この結果からも、研修内容が実務と結びついているかどうかが、評価を大きく左右することが伺えます。
例えば、ビジネスマナーは新入社員研修の基礎ではありますが、時間をかけすぎると受講者の集中力が下がりがちです。新入社員の多くは「今後、自分は何をするのか」に惹かれるため、新入社員研修時間はできるだけ実務に直結する内容に割いてください。
②「座学3割・アウトプット7割」を意識する
新入社員研修では、講師の説明だけで終わらせず、アウトプットの時間を意識的に増やすことが重要です。同調査では、「一方的な進行で参加しづらかった」と感じた人が一定数いました。座学に偏ると理解したつもりで終わり、実務で使えないまま忘れてしまいがちです。
そのため、ワークショップやロールプレイングなど、手を動かす時間を多く取り入れましょう。特に、商品説明や電話応対など、配属後すぐに使う内容を題材にすることで、新入社員研修の効果は高まります。
③同期・先輩との交流時間を確保する
新入社員研修満足度調査では、「交流のなさ」を不満に感じた人も少なくありませんでした。そのため、新入社員研修では、知識習得だけでなく、人とのつながりを作る場を意識的に設けることを心がけましょう。
同期同士で話す機会や、先輩社員と気軽に接する時間があることで、配属後も相談しやすい関係が生まれやすくなります。この際、コミュニケーション効果を高めるために、ランチミーティングやグループワークなど、リラックスできる環境で行うことも心がけてください。
新入社員研修を成功させるコツとして、DX人材育成に成功した企業の取り組みから学ぶ方法も有効です。DX人材育成に成功した企業の事例については、以下の記事で詳しく紹介しています。
新入社員研修の内容例10選
新入社員研修では、一般的に社会人としての意識改革からスタートし、マナーやコミュニケーションなど職場での基本行動、生成AI、オフィスソフトなどの実務ツールの活用方法まで幅広く学びます。
ここでは、代表的な10の新入社員研修項目を一覧表にまとめました。
| 項目 | 目的・ゴール | 具体例 |
| 社会人の心構え | 社会人への意識変革 | 主体性、責任感、自分ごと化、行動前に考える |
| ビジネスマナー | 社会人のマナー習得 | 5原則(表情・挨拶・身だしなみ等)、電話応対 |
| 報連相の技術 | チーム力向上 | 結論ファーストの伝達、相談のタイミング |
| コミュニケーション | 円滑な意思疎通 | 聴く力、数字で語る、マジックナンバー3の法則 |
| コンプライアンス | リスク回避法の醸成 | 法令遵守、社内規定、社会的倫理の3層構造 |
| 仕事の段取り | 自律的な行動力育成 | タスク分解、優先順位、タスク管理ツールの活用 |
| PC・ITスキル | スピードと質の向上 | 生成AI、オフィスソフト、デザインツールの活用 |
| ロジカルシンキング | 論理的な伝達力育成 | 事実と意見の区分、PREP法(結論・理由・例え) |
| プレゼンテーション | 提案力と交渉力習得 | ヒアリングのコツ、ベネフィット(利点)の伝え方 |
| 実践PDCA | 成果を出す改善方法 | 目標設定、実行、振り返り、改善の4ステップ |
新入社員研修の進め方9ステップ
続いて、新入社員研修の一般的な進め方を9ステップでお伝えしましょう。ここでは、一目で把握できるように、新入社員研修の流れを一覧表にまとめています。
| ステップ/項目 | 概要/ポイント |
| ①人材要件の策定 | 2〜3年後の活躍を見据えた「理想の姿」を定義 |
| ②育成方針の決定 | 要件に基づき優先順位を絞る。内容を詰め込みすぎない |
| ③現場へのヒアリング | 配属先のニーズを確認し、研修と現場の乖離を防ぐ |
| ④研修目標(KPI)の設定 | 数値や評価基準を設け、達成度を測れるようにする |
| ⑤研修内容の検討 | マナーや技術など、目標達成に必要な学習内容を決める |
| ⑥プログラム選定・実施 | アウトプット(ワーク等)を重視した形式で実行 |
| ⑦振り返り・フォロー | テストやアンケートを行い、1〜2ヶ月後に追跡研修を実施 |
| ⑧検証・改善 | PDCAを回し、検証しながら次年度に向けて内容を改善 |
| ⑨年間スケジュール化 | 成長ステージに合わせ、年間を通じた計画に移行する |
新入社員研修の資料テンプレート
新入社員研修の進め方(9ステップ)を確認したところで、ここからは新入社員研修の資料テンプレートを紹介しましょう。この新入社員研修の資料テンプレートは、以下の6ページで構成しており、実際に研修に参加する新入社員へ配布することも可能です。
- 研修の目的
- 4週間の研修スケジュール
- 到達目標
- 研修のメリット
- 評価方法
- 研修後の次ステップ
経理向けとしてそのまま配布しても、業種や企業に合わせて書き換えても使える構成です。簡易版なので、随時追加してご活用ください。
①研修の目的
この研修は、経理部で働くために必要な「基礎知識・実務スキル・仕事の進め方」を身につけることを目的としています。
【期間】4週間
【目的】経理の全体像を理解する
【内容】会計ソフトを使えるようになる・報連相を身につける
②4週間の研修スケジュール
| 週 | テーマ | 学ぶ内容 |
| 1週目 | 経理の基礎知識 | 会計原則、財務諸表の読み方、現金管理 |
| 2週目 | 会計ソフトの操作 | 仕訳入力、試算表作成、データ管理 |
| 3週目 | 予算管理の基礎 | 予算の作り方、予実分析、改善の考え方 |
| 4週目 | 実務演習 | シミュレーション、ケーススタディ、フィードバック |
③到達目標
【知識】
- 会計の基本用語が理解できる
- 財務諸表の構造がわかる
- 経理業務の流れを説明できる
【スキル】
- 会計ソフトで仕訳入力ができる
- データを整理し、簡単な分析ができる
- 予算と実績の差を読み取れる
【行動】
- 報連相が適切にできる
- チームで協力して業務を進められる
- ミスを防ぐための確認が習慣化する
④研修のメリット
- 経理の基礎知識を確立できる
- 実務的なスキルを習得できる
- 協力と信頼関係を構築できる
⑤評価方法
研修の成果は、以下の方法で確認します。
- 知識テスト(基礎理解の確認)
- 実務演習の評価(仕訳・処理の正確性)
- メンター評価(行動・姿勢)
- 自己評価(振り返り)
⑥研修後の次ステップ
研修が終わったら、以下を意識して成長を続けてください。
- 実務で学んだことを積極的に活用する
- 月次決算の補助業務に挑戦する
- 改善提案を1つ出してみる
- 半年後の目標を設定する
テンプレートのデザイン案に迷ったら「Storybook」がおすすめ
テンプレートのデザイン案に迷ったときは、Geminiの「Storybook」を活用しましょう。瞬時に画像付き研修資料をPDF形式で作成できるおすすめの機能です。言葉の配置は指定できませんが、イラストは指示に合わせて柔軟に変更できます。
なお、利用時には上記のテンプレートを読み込ませ、資料テンプレートであること、別のセリフを入れないことを明記してください。以下のリンクは、Storybookで上記のテンプレートから作った資料です。
https://gemini.google.com/share/e037db22c514
生成AIは日々進化し、随時新機能が追加されています。こうしたAIを業務で活用したい場合、DX・AI人材育成研修サービスに相談してみましょう。リソースや希望に合わせた研修プランを柔軟に策定し、さらに、現場での実践までをコンサルタントが一貫支援してくれます。
新入社員研修で注意したい3つのポイント
続いて、新入社員研修で特に注意したいポイントを3つお伝えします。
- 研修の目的が曖昧でないか
- 研修後のフォローを意識しているか
- 研修会社選びは適切か
①研修の目的が曖昧でないか
新入社員研修を行う際、「自立した人材を育てたい」「社会人基礎力を身につけさせたい」といった抽象的でありがちな目的にしないことが重要です。目的が曖昧だと研修の軸がぶれ、「参加する必要があったのか…」と受講者に思われる結果になりかねません。
新入社員研修の主目的は、現場で役立つ人材を育てることです。そのために必要な内容や行動を具体的に整理し、目的から逆算して新入社員研修を設計していきましょう。
②研修後のフォローを意識しているか
新入社員研修は、「大枠の学習内容を終えた時点で完了」と考えないことが重要です。研修は、学んだことをどれだけ業務に反映できるかで成果が決まります。そのためにも、研修期間が終わった後、現場に出てからのフォローを必ず行いましょう。
指導担当者がかかわり続けることで、新入社員は「学んだことが現場につながっている」と実感できます。また、「研修後も見守られている」という感覚は新入社員にとって大きな安心材料となり、研修から業務への移行をスムーズにします。
③研修会社選びは適切か
自社の目的を達成するためにも、「有名だから」といった主体性がない研修会社の選び方は避けましょう。また、「毎年使っているから」といった惰性的な選び方も、やはり改めなくてはいけません。
新入社員研修は、毎年ブラッシュアップされるべきものです。だからこそ、前年と同じ会社を使う場合でも、その年の新入社員に必要なスキルに合っているかを必ず見直してください。毎年新たな気持ちで、その時々の新入社員に最適なサービスを選ぶことが、研修の質に直結します。
新入社員研修でよくある質問
最後に、新入社員研修でよくある質問を3つご紹介します。
新入社員研修についてまとめ
新入社員研修には、初めて社会人になる新卒の方が参加するケースも多く、社会人としての基本的な心構えからスタートするのが一般的です。
しかし、マナーや基礎知識ばかりが重視されがちなので、「実践的な内容が少ない」という不満が多く挙げられているのも事実です。
段階的に進めることはもちろん重要ですが、その割合を見直し、実務に直結する内容にしっかり時間を割いた新入社員研修カリキュラムを組みましょう。設計に迷う場合は、プロの研修会社からアドバイスを受けるのも一つの方法です。
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