facebook

【2026】事業展開等リスキリング支援コースとは?受給要件や申請の流れを解説

事業展開等リスキリング支援コースは、事業展開に伴う研修費用の負担を軽減するために設けられた制度です。この制度を活用して要件を満たす研修を実施すれば、費用面の負担を軽減できます。

この記事では、事業展開等リスキリング支援コースを利用するうえで押さえておきたい対象事業主の条件や申請の流れ・申請書類などについて解説します。事業展開等リスキリング支援コースの活用を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

事業展開等リスキリング支援コースとは

事業展開等リスキリング支援コースは、厚生労働省の人材開発支援助成金にあるコースの一つで、新規事業への進出やDX化・GX化など事業展開に伴って従業員へ研修を実施した企業に対し、研修費用と研修期間中の賃金の一部を助成する制度です。制度概要を以下の表に簡潔にまとめました。

制度名 人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」
管轄 厚生労働省
対象事業主 雇用保険適用事業所の事業主
訓練要件 ①訓練時間数が10時間以上であること
②OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること
③職務に関連した訓練で、事業展開、DX化・GX化、企業内の人事・人材育成計画に基づき今後従事する職務のいずれかに該当すること
経費助成 中小企業:75%
大企業:60%
賃金助成(1時間/1人) 中小企業:1,000円
大企業:500円

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内

なお、人材開発支援助成金については、以下の記事で詳しく解説しているので、初めて制度を利用する方はこちらも参考にしてください。

【2026】人材開発支援助成金はDX人材育成に使える?対象研修・助成額・申請方法を解説

事業展開等リスキリング支援コースの対象事業主

事業展開等リスキリング支援コースの対象事業主は雇用保険適用事業所の事業主で、企業規模を問わず中小企業・大企業どちらも申請できます。ただし助成金の受給要件は細かく定められており、以下全ての要件を満たしている必要があります。

  1. 雇用保険適用事業所の事業主であること
  2. 事業内職業能力開発計画および職業訓練実施計画届を作成し、その内容を労働者に周知していること
  3. 職業能力開発推進者を選任していること
  4. 訓練期間中も、当該従業員に対し賃金を適正に支払っていること
  5. 助成金の支給・不支給の決定に係る申請に必要な書類を整備、5年間保存している事業主であること
  6. 助成金の支給・不支給の決定に係る審査に協力する事業主であること
  7. 事業展開等実施計画を作成する事業主であること

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(17ページ)

上記の要件のうち一つでも満たしていないと、事業展開等リスキリング支援コースの受給対象から外れてしまうため注意しましょう。

事業展開等リスキリング支援コースの助成率

事業展開等リスキリング支援コースは、経費助成と賃金助成の2種類の助成があります。経費助成は研修にかかった費用に対する助成、賃金助成は研修を受けている時間中の賃金に対する助成です。

それぞれの助成率・助成金額は以下の通りです。

企業規模 経費助成 賃金助成(1時間/1人)
中小企業 75% 1,000円
大企業 60% 500円

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(38ページ)

上記が事業展開等リスキリング支援コースの基本的な助成の種類と金額ですが、賃金要件または資格等手当要件のどちらか一方を満たし、事業所に事業展開促進機器等を導入した場合、助成率50%の設備投資加算の支給申請ができます。

賃金要件と資格等手当要件は以下の通りです。

賃金要件 訓練終了日の翌日から1年以内に、月給を5%以上増加させること
資格等手当要件 就業規則等に資格等手当の支払いを規定したうえで、訓練終了後1年以内に対象労働者全員へ当該手当を支払い、月給を3%以上増加させること

設備投資加算に関するその他細かな要件は、厚生労働省の令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(34~37ページ)をご覧ください。

事業展開等リスキリング支援コースの助成限度額

事業展開等リスキリング支援コースの助成限度額は、1事業所当たり1年度最大1億円です。さらに、経費助成・賃金助成・設備投資加算にもそれぞれ限度額が設けられています。

助成限度額(助成限度時間)
経費助成(1訓練/1人) 中小企業:最大50万円
大企業:最大30万円
賃金助成(1訓練/1人) 1,200時間
※専門実践教育訓練は1,600時間
設備投資加算(1事業所/1訓練) 支給対象労働者1人につき15万円
10人以上の場合は人数に関わらず150万円が限度

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(38ページ)

また、事業展開等リスキリング支援コースの助成対象となる訓練には受講回数の上限が設けられており、1労働者につき1年度で3回までとなっています。なお、令和8年8月3日以降に提出する計画届でeラーニングによる訓練を行う場合は、1労働者につき1年度1回までとなります。

事業展開等リスキリング支援コースの期限はいつまで?

事業展開等リスキリング支援コースの期限はいつまで?

事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年度末(2027年)3月31日までの期間限定措置です。令和9年度以降の制度の継続については未定のため、事業展開等リスキリング支援コースを活用したい場合は、令和8年度末までに申請を終えるようにしましょう。

また、事業展開等リスキング支援コースの計画届は研修開始日の1か月前までの提出が必要で、研修終了の翌日から2か月以内に支給申請を行わなくてはいけません。さらに訓練カリキュラムの設計や研修期間の選定など、計画届の作成にも時間がかかります。

年度末ギリギリに動き始めると、期限に間に合わない可能性があるため、早めに動き始めることをおすすめします。

事業展開等リスキリング支援コースの対象講座の要件

事業展開等リスキリング支援コースの対象講座の要件は以下の通りです。

  • 職務に関連した専門的な知能および技能の習得をさせるための訓練であること
  • 訓練時間数が10時間以上であること
  • 職業訓練実施計画届に基づき行われる訓練であること
  • 事業内訓練の場合、講師要件を満たす指導者のもとで実施されるものであること
  • 事業外訓練の場合、教育訓練機関要件を満たす機関で実施されるものであること
  • 訓練の実施方法が「通学制」「同時双方向型の通信訓練」「eラーニング」「通信制」「定額制」のいずれかにより実施されること

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(18~22ページ)

訓練は実施方法ごとに支給要件が異なります。以下の訓練時間要件・受講要件を満たす必要がある点も押さえておきましょう。

訓練方法 訓練時間数要件 受講要件
通学制・同時双方向型の通信訓練 1コースあたりの実訓練時間数が10時間以上 実訓練時間数の8割以上受講
eラーニング・通信制 1コースあたりの標準学習時間が10時間以上、または1コースあたりの標準学習期間が1か月以上 訓練期間中に訓練を修了
定額制 対象労働者の受講時間数が合計10時間以上 訓練期間中に訓練を修了

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(22ページ)

おすすめのDX研修・人材育成サービス

DX研修・人材育成サービス

GETT Proskillの『DX研修・人材育成サービス』は、事業展開等リスキリング支援コースの対象サービスです。DXスキルの習得に必要な研修カリキュラムを階層別に網羅しており、社員のレベルに応じた研修を実施できます。

10名程度の企業から1万名以上の大企業まで、幅広い規模の企業に導入されているDX研修です。DX推進の専任担当者がいない企業でも運用可能なため、気になる方はぜひ詳細をチェックしてみてください。

DX研修がどのようなものか知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【2026】DX研修の内容は?意味ない?メリットや目的・カリキュラム例も紹介

事業展開等リスキリング支援コース申請の流れ・申請書類

事業展開等リスキリング支援コースの申請の流れ・申請書類

事業展開等リスキリング支援コースの申請の流れと申請書類は以下の通りです。

申請の流れ 主な申請書類
①職業訓練実施計画届の作成・提出 ・職業訓練実施計画届(様式第1-1号)
・事業展開等実施計画(様式第1-3号)
・対象労働者一覧
・事前確認書(様式第11号)
・訓練カリキュラム、受講案内等
②訓練の実施 特になし
(変更が生じる場合は変更届の提出が必要)
③支給申請書の作成・提出 ・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
・支給申請書(様式第4-2号)
・経費助成の内訳
・対象労働者の雇用契約書または労働条件通知書の写し等
※申請区分「通常分」の場合
④助成金の支給・不支給の決定および入金 特になし

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(22~47ページ)

なお、事業展開等リスキリング支援コースの申請書類はこちらからダウンロードできます。必要な申請様式をダウンロードし、申請書類を作成しましょう。

①職業訓練実施計画届の作成・提出

事業展開等リスキリング支援コースの申請には、職業訓練実施計画届が必要です。訓練を開始する日から起算して1か月前までに、管轄の都道府県労働局へ計画届一式を提出する必要があります。

主な提出書類は以下の通りです。

  • 職業訓練実施計画届(様式第1-1号)
  • 事業展開等実施計画(様式第1-3号)
  • 対象労働者一覧
  • 事前確認書(様式第11号)
  • 訓練カリキュラム、受講案内等

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(22ページ)

事業展開等実施計画には、実施する訓練の内容を記載する必要があります。抽象的な表現を避け、数字や固有名詞を交えながら、なるべく具体的に記載しましょう。

②訓練の実施

提出した計画届の内容に沿って訓練を実施します。事業展開等リスキリング支援コースでは、計画届の内容と実際の訓練内容にずれがあると、支給対象外となるため注意しましょう。

計画内容に変更が生じる場合は、変更届(様式第1-1号)の提出が必要になります。事業展開等リスキリング支援コースの変更届の提出期間は以下の通りです。

変更理由 変更届の提出期間
対象労働者の追加 訓練開始日の前日まで
事前に届け出が必要な変更事由による変更 当初計画していた訓練実施日または変更後の訓練実施日のいずれか早い方の日の前日まで
対象労働者の病気・けが、天災等のやむを得ない理由 変更後の訓練実施日の翌日から7日以内
導入する事業展開促進機器等の種類や数量に変更・追加が生じた場合 変更・追加した機器等の導入予定日の前日まで

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(43ページ)

期限までに変更届を提出しないまま訓練を実施した場合、変更が生じた部分の助成が受けられなくなります。期限までに書類を提出しましょう。

③支給申請書の作成・提出

訓練が終了したら、支給申請書を作成し、訓練終了日翌日から起算して2か月以内に管轄労働局に提出します。

事業展開等リスキリング支援コースの支給申請には「通常分」「設備投資加算分」の区分があり、それぞれ必要書類が異なります。区分ごとの主な必要書類は以下の通りです。

通常分 ・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
・支給申請書(様式第4-2号)
・経費助成の内訳
・対象労働者の雇用契約書または労働条件通知書の写し等
設備投資加算分 ・支給申請書(様式第4-2号)
・設備投資実施状況報告(様式第22号)
・支給決定通知書(様式第23-3号)
・賃金要件等確認シート(様式第17号)
・賃金増額改定前後3か月または資格等手当支払前後3か月の賃金台帳等
・事業展開促進機器等の導入が確認できる書類の写し

参考:令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(45~47ページ)

④助成金の支給・不支給の決定および入金

支給申請書を提出したあとは、労働局による審査が行われ、支給または不支給が決定されます。支給が決定すると、事業主が指定した口座に助成金が振り込まれます。

事業展開等リスキリング支援コースで助成金を確実に受給するためには、①から③までの各段階で要件や書類を丁寧に確認しながら申請を進めることが大切です。

事業展開等リスキリング支援コースまとめ

事業展開等リスキリング支援コースは、事業展開に伴う社員研修に係る費用を国の支援によって軽減できる制度です。制度を利用するには、対象事業主としての要件を満たし、決められた様式に沿って計画届や支給申請書を提出する必要があります。

書類の準備には時間がかかるうえ、提出期限も細かく定められています。事業展開等リスキリング支援コースの活用を検討している場合は、余裕を持って準備を始め、必要に応じて労働局や専門家に相談しながら申請を進めましょう。

事業展開等リスキリング支援コースとは?受給要件や申請の流れを解説
最新情報をチェックしよう!