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機械学習はどんな仕組み?学習方法やディープラーニングとの違いを解説

人工知能の一分野である機械学習とは、コンピューターがデータから学習し、自己改善できるようにする技術のことです。聞いたことがある言葉だけれども、具体的に何を意味するかは今一つよく分からない、という人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、機械学習の仕組みや学習方法、機械学習とディープラーニングの違い、機械学習の今後や活用において気をつけるべきポイントについて解説します。

機械学習の仕組みとは

機械学習とは、コンピューターが大量のデータを学習することでデータのルールやパターンといった規則性を抽出する技術です。

データには表形式のデータや数値データなどのように明確な構造を持った構造化データと、テキストや画像、音声、動画のように構造がなく、自由な形式で表現された非構造化データ、XMLやJSONのように構造があるものの決まった形式で表現されていない半構造化データの3種類があります。

機械学習の仕組みは、データを学習させることで、そのデータに潜む特徴やパターンを見つけ出すことです。
また、コンピューターはデータの中に潜む特徴や規則性を見つけだすために反復学習を行います。このような機械学習におけるプロセスは、以下の2つに分類されます。

学習

コンピューターがまず行うのは学習です。機械学習における学習とは、コンピューターがデータからパターンを見つけ出し、自己改善することを指します。
学習には教師あり学習と教師なし学習、強化学習という3つの方法とディープラーニングという方法があります。

これら複数の学習方法が存在する理由は、データの種類や学習の目的によって適用範囲が異なったり、データによって用意のしやすさが異なったりするためです。
適切な学習方法を選択することは、より効率的な機械学習につながります。

予測

学習が終了した後、コンピューターは分類、回帰、クラスタリングなどの作業を行います。これらが予測です。
分類は、データを予測されたカテゴリーに分類します。回帰は、データの値を予測します。クラスタリングは、データをグループに分ける方法です。

機械学習の学習方法

ここからは、機械学習の手法である教師あり学習、教師なし学習、強化学習、ディープラーニングの4つについてそれぞれ詳しく解説します。

教師あり学習

教師あり学習とは、教師データを用いてモデルを構築する方法です。教師データとは、あらかじめ正解が分かっているデータのことを指します。
入力データと正解データのペアを用いることで、入力データから正解データを予測するようなモデルを学習するわけです。

教師あり学習が適しているのは、分類や回帰といった予測タスクです。たとえば、スパムメールの分類や住宅価格の予測などが挙げられます。
教師あり学習は正解データを用意する必要があるため、正解が明確な問題の解決に効果的です。
しかし、正解データが存在しない分野には利用できないこと、正解データの質が学習精度に影響を与えることなどがデメリットとして挙げられます。

教師なし学習

教師なし学習とは、あらかじめ正解が分かっていないデータを用いてデータの構造やパターンを自己発見する方法です。
教師なし学習は入力データのみを用いてデータの構造やパターンを自動的に抽出するため、あらかじめ正解データを用意しておく必要がありません。

教師なし学習の手法には、クラスタリングや次元削減、異常検知などがあります。教師なし学習が主に用いられるのは、正解データが存在しない場合や、データの構造やパターンを把握する必要がある場合です。
たとえば、新しい製品のターゲット市場を決めたり、ビッグデータを解析したりする際に利用されます。

強化学習

強化学習は、コンピューターが現在の状態を観測し、得られる累積報酬を最大化するためにどのような行動をとるべきかを決定する手法です。
教師あり学習や教師なし学習と並び、3つの基本的な機械学習手法のひとつとされています。

強化学習では入力データや出力データの組を提示する必要がなく、また最適でない行動を明示的に修正する必要もありません。その代わり、未知の領域の探索と、現在の知識の活用の間のバランスを見つけることが大切です。

強化学習は、機械学習の中でも特にゲームやロボット制御などの分野で活用されています。
たとえば、囲碁や将棋などのゲームで人間を上回る強さを発揮しているAlphaGoやAlphaZeroのようなプログラムなどです。また、自動運転車の開発においては、交通ルールや安全性を考慮した運転をするために強化学習が活用されています。

ディープラーニング

ディープラーニングは、多層のニューラルネットワークを用いて複雑なデータの特徴を自動的に抽出する手法です。
ニューラルネットワークは脳の神経回路を模したモデルで、入力層、中間層、出力層から構成されています。

ディープラーニングは多数の中間層を持つニューラルネットワークを用いることにより、複雑なデータの特徴を抽出します。また、人間が自然に行うタスクをコンピューターに学習させることも可能です。
たとえば、画像認識や音声認識、自然言語処理などです。ディープラーニングの活用例としては、自動運転車の開発における停止標識の認識や障害物の検出などが挙げられます。

機械学習とディープラーニングの違いは?

ディープラーニングも機械学習における手法のひとつであるものの、一般的には機械学習というと教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つを指します。
ディープラーニングはこれら機械学習とは区別されることが多いです。なぜなら、機械学習とディープラーニングには大きな違いがあるからです。

機械学習は比較的単純な問題向き

機械学習は比較的単純な問題に向いています。そのため、少ないデータでも高い精度を発揮できます。コストをかけたくない場合やプロジェクトを迅速に進めたい場合向けの手法です。

ディープラーニングは複雑なパターン認識や予測問題向き

一方、ディープラーニングはニューラルネットワークによって大量のデータを扱い、特徴の自動学習を行います。そのため、ディープラーニングは複雑なパターン認識や予測問題に優れています。

また、機械学習では人間がデータの特徴を指定することで学習や分析を行いますが、ディープラーニングの場合、コンピューターが自動的にそれらを行うことが可能です。つまり、ディープラーニングでは人間が指示していないことや把握していないことを知ることができる可能性があるわけです。

これらはどちらの方がよりよいというわけではありません。それぞれの特徴に応じて適切な方法を選択することが重要です。

機械学習の今後

機械学習は、今後ますます多くの分野で活用されることが期待されています。
現在は画像認識や音声認識などのタスクにおいて驚異的な成果を上げていますが、今後はより高度なタスクにも応用されることになるでしょう。

また、機械学習は、AI技術の発展にも大きく貢献することが期待されています。
AI技術が今後どのような展望を遂げるのかは、機械学習やディープラーニングがどれくらい発展するのかに密接に関連しているからです。

機械学習を活用するために気をつけるべきポイント

機械学習を上手に活用するためには、いくつか気をつけておくべきポイントがあります。

データの質と量が大切

まず挙げられるのは、データの品質や量をどのように担保するのか、という問題です。
機械学習の精度は、データの品質や量に大きく依存します。データが少ない場合や不正確な場合、欠損している場合は機械学習の結果が不正確になってしまいます。
そのため、データの品質を高めるための前処理とデータの収集や生成が機械学習の活用には必要不可欠です。

倫理的な問題

また、機械学習には倫理的な問題があります。たとえば、データの品質などによっては機械学習の結果が偏見を持ったものになってしまうことなどです。
そのため、機械学習を活用する際はその結果を検証し、倫理的な問題に対処する必要があります。

機械学習の仕組みを学び、上手に活用しよう!

機械学習の活用領域は今後さらに拡大していくことが予想されます。しかし、一言で機械学習といってもその手法はさまざまざまです。
それぞれメリットとデメリットがあるため、違いをよく把握した上で上手に使い分けられるようになりましょう。


機械学習の活用領域は非常に広く、今後の拡大も期待されています。可能性は無限大です。
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